沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
2歳王者サリオスの底しれぬ強さ。
超ハイペースを前から押し切る完勝。
posted2019/12/16 12:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
前週の阪神ジュベナイルフィリーズにつづき、圧倒的な強さを誇る、無敗の2歳GIウィナーが誕生した。
第71回朝日杯フューチュリティステークス(12月15日、阪神芝外回り1600m、2歳GI) を、ライアン・ムーアが騎乗した1番人気のサリオス(牡、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)が優勝。新馬戦からの成績を3戦3勝とした。
なお、ここを勝てばGIコンプリートに王手をかけることになった武豊のタイセイビジョンは2着だった。
阪神ジュベナイルフィリーズでは、ハイペースで逃げたレシステンシアがラスト3ハロンも最速でまとめ、1分32秒7という2歳レコードを叩き出した。前半800m通過タイムは45秒5。後半800mは47秒2だった。
この朝日杯の前半800通過は45秒4。後半800mは47秒6。開催が1週遅いぶんだけ馬場は傷んでいるので、こちらのほうが、数字よりさらに厳しい流れだったと見ていいだろう。実際、'14年に舞台が阪神に移ってから、前半800mが46秒を切ったのは初めてだった。
先行馬には苦しい流れのはずが。
それだけ先行馬にとっては苦しい流れだった……はずだ。
そんななか、サリオスは、序盤からムーアに促されて先行し、先頭から3馬身ほどの好位につけた。
そのまま楽に追走し、ラスト300m付近で逃げ馬をかわして先頭に。外から後続に迫られても大きなストライドで寄せつけず、じわじわと差をひろげ、2着を2馬身半突き放してゴールを駆け抜けた。
勝ちタイムは1分33秒0。'17年にダノンプレミアムが記録した1分33秒3を更新するレースレコードだった。