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八村塁がNBA首位と激突したら……。
レイカーズ&レブロン達に喰らった洗礼。
posted2019/12/14 08:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Getty Images
第1回目は、無事開幕デビューを飾った八村塁が順調にプレーを続ける中で、必然的に訪れる「NBAレジェンド達との戦い」「新人の洗礼」を経験したレイカーズ戦をレポート。スポーツジャーナリスト宮地陽子氏の密着取材でお伝えします。
どんなNBA選手でも、ルーキーシーズンには『ウェルカム・トゥ・ザ・NBAモーメント』と呼ばれる場面を経験する。
日本語で言うと「新人の洗礼」だろうか。それまで通用していたプレーでもNBAでは通用しないことを思い知らされる瞬間だ。
たとえば、守っている上からダンクを叩きこまれたとき。たとえば相手のクロスオーバードリブルについて行けず、足がもつれて倒れたとき。たとえば、ダンクをブロックされたとき。ベテラン選手からコテンパンにやられた衝撃は、若い選手にとっては新しい世界のレベルの高さを思い知らされた記憶として残り、もっと成長しなくてはというモチベーションになる。
八村塁も11月29日、ステープルズセンターで行われたレイカーズ戦で、そんな『ウェルカム・トゥ・ザ・NBAモーメント』を経験した。
ダンクを阻止された強烈なプレー。
試合開始から3分33秒たったときのことだ。ダンクに行こうとしたところ、アンソニー・デイビスに見事にブロックされ、床に倒れてしまったのだ。
実は試合開始から『その瞬間』まで、八村は好調で、3本連続でシュートを決めていた。最初から思い切りよく走り、シュートを打って攻めた。レブロン・ジェームズ越しにジャンプシュートを沈め、トランジションを止めようとするレブロンを後目にレイアップを決め、さらに、再びレブロン相手にトランジションからのフックシュートも決めた。序盤でリズムをつかめないレイカーズに対して、ウィザーズは八村がアグレッシブなプレーから攻撃のリズムを作り出していた。リーグのトッププレイヤー相手だからこそ、対抗するために思い切りのいいプレーができていたのかもしれない。
それだけやられれば、当然ながら、レイカーズのディフェンスも八村のトランジション・プレーを警戒してくる。
ダンクに行こうとしたのに対して、横からカバーに出てきたデイビスがタイミングを合わせてブロック。オール・ディフェンンシブ・チームに何度も選ばれたことがあり、今季はディフェンシブ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤーを狙っているビッグマンから受けた、強烈な洗礼だった。