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八村塁の活躍を陰で支える凄腕代理人。
謎のベールを破って……独占レポート!

posted2019/12/15 08:00

 
八村塁の活躍を陰で支える凄腕代理人。謎のベールを破って……独占レポート!<Number Web> photograph by Yukihito Taguchi

滅多に撮影に応じることのない“ザ・エージェント(代理人)”のスナップショット。八村塁とダレン・マツバラの関係は極めて良好だ。

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宮地陽子

宮地陽子Yoko Miyaji

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Yukihito Taguchi

  2019年は日本バスケットボール史において、永遠にその「栄光」が語られる年となりました。NBAドラフト1巡目指名を勝ち取った八村塁――そのNBAデビューからの物語を3日間連続記事配信にてお送りします。

 第2回目の今回は、秘密のベールに包まれた八村の「代理人」についてのレポート。取材をほとんど受けないという彼らの仕事ぶりに、スポーツジャーナリストの宮地陽子氏が迫りました。

 6月20日、NBAドラフトでNBAコミッショナーのアダム・シルバーに名前を呼ばれた八村塁は、同じテーブルに座っていた家族、そしてゴンザガ大のマーク・フューヘッドコーチとハグし、続いて彼を支える2人の代理人とハグして舞台に向かった。

 1人目はジェイソン・レイニー、そしてもう1人がダレン・マツバラ。共に代理人事務所の「ワッサーマン」で八村を担当している。

 何でもインターネットを探せば出てくる今の時代において、この2人の情報は珍しいぐらいほとんど公開されていない。彼らの写真ですら、ワッサーマンの公式サイト以外で見つけるのは簡単ではないぐらいだ。

「写真は好きではないんだ」

 レイニーは丁寧に、しかしきっぱりとそう言い、取材に同席したカメラマンの撮影リクエストを却下した。

「私も同じだ。SNSのアカウントはまったく持っていないし、取材もほとんど受けない」とダレン・マツバラも口を揃える。見事なまでに影の仕事人たちだ。あくまで主役は選手。それが彼らのポリシーだった。

代理人の2人も元バスケ選手だった。

 八村は、代理人選びは「自分で決めた」とい語る。

 「(レイニーとマツバラの2人には)すごく助けてもらったますし、ビジネス面など、僕の知らない世界の中で色々助けてもらっているのはすごく嬉しいこと。そういうところは、僕もすごく信頼している2人。これからもいっしょにやっていければいいなと思います」

 八村がそれだけ信頼するレイニーとマツバラは、いったいどんなバックグラウンドを持っているのだろうか。それを知ることで、八村自身が大事にしていることも見えてくるのではないだろうか。

 2人とも、バスケットボール界で幅広い経験をしてきた。

 レイニーは、大学時代は名門アリゾナ大の選手だった。奨学金なしのウォークオンからスタートし、在籍中に奨学金を獲得し、チーム・キャプテンも務めた。現役時代のチームメイトにはリチャード・ジェファーソンやルーク・ウォルトン、アンドレ・イグダーラら後のNBA選手たちがいて、エリートプレイヤーたちや彼らの家族の経験を身近で見聞きしていたことも、代理人になってからの経験に生かされているという。

 彼自身は子供の頃から弁護士志望。「8歳のときから疑似裁判をやっていたんだ」と明かす。アリゾナ大卒業後はロースクールに進学し、弁護士資格を取った。

 当初、スポーツ・エージェントになるつもりはまったくなかったという。しかし、人生はどこに岐路があるかわからない。アーン・テレム(当時ワッサーマン代理人。現デトロイト・ピストンズ副社長)が当時のアリゾナ大ヘッドコーチ、ルート・オルソンに、誰かエージェントの仕事ができる卒業生がいないか問い合わせ、レイニーに声がかかった。

 ワッサーマンで少し働いた後、故郷オクラホマシティのチーム、サンダーに転職。サンダーでは戦略的計画部門ディレクターとして、ロスターの長期的計画を立てる仕事をしていた。チームでの仕事も充実していたが、4年前に再びワッサーマンに戻った。

「チームに関わることが嫌になったわけではない。それでも、ワッサーマンでは複数のスポーツに関わり、毎日、7~8のスポーツについて様々なことを見ることができ、クライアントとも近い関係を築くことができる。そのことにやりがいを感じたんだ」と、エージェントに戻った理由を語った。

【次ページ】 マツバラ「ルイと心で通じるところがあると思う」

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