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阪神JFの2強は好対照な別タイプ。
リアアメリアとウーマンズハート。
posted2019/12/07 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
この2頭も、かつてのウオッカとダイワスカーレットのように、クラシックや古馬戦線でライバルとして切磋琢磨していくことになるのだろうか。
今週の第71回阪神ジュベナイルフィリーズ(12月8日、阪神芝外回り1600m、2歳牝馬GI)には、芝1600mの新馬と重賞を制し、2戦2勝でここに来た馬が2頭いる。
2頭のうち、勝ち方の強烈さから1番人気になりそうなのは、川田将雅が騎乗するリアアメリア(父ディープインパクト、栗東・中内田充正厩舎)だ。
ダービーの翌週、6月1日にここと同じ舞台で行われた新馬戦を、出遅れて、口を割って折り合いを欠きながら、直線、持ったままで2着を8馬身突き放した。これが、JRAでは「令和初の新馬戦」であった。
記念すべき新馬戦で2~4着に負かした馬たちはみな、その後勝ち上がっている。要は、期待されて使われた馬たちを、ぶっちぎってしまったのだ。
そこから5カ月弱の休み明けで、プラス20kgの馬体重で臨んだ前走のアルテミスステークスも圧巻だった。遅れ気味のスタートで、道中、口を割っていたのは新馬戦と同じ。9頭立ての7、8番手という後方につけ、引っ張り切りの手応えで4コーナーを回り、直線で前をまとめて差し切った。最後の5完歩ほどは流す余裕があった。
勝てば母仔で日米の2歳女王。
中内田厩舎の2歳牝馬というと、昨年ここを勝って2歳女王になったダノンファンタジーが思い出される。
主戦の川田が香港に遠征していたため、クリスチャン・デムーロが騎乗し栄冠を手にした。また、牡馬だが、2017年の朝日杯フューチュリティステークスを圧勝したダノンプレミアムも中内田と川田のタッグだ。
リアアメリアの母リアアントニアは、2013年の米国ブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを制している。リアアメリアがここを勝てば、母仔で日米2歳女王決定戦制覇、ということになる。