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阪神JFの2強は好対照な別タイプ。
リアアメリアとウーマンズハート。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/12/07 19:00
川田将雅も早い時期からかなり高く評価していたリアアメリア。2歳女王はその一歩目に過ぎない。
好対照なウーマンズハート。
2強のうちのもう1頭は、ウィリアム・ビュイックが手綱をとるウーマンズハート(父ハーツクライ、栗東・西浦勝一厩舎)だ。
こちらはリアアメリアとはタイプがかなり違う。速いスタートを切って好位か中団で我慢し、鞍上のゴーサインを待ってからスパートするなど、指示に従順で、競馬センスがある。
新馬戦も、2戦目の新潟2歳ステークスも、ともに新潟のマイルで、ラスト3ハロンを32秒台でまとめた。新馬戦では、直線の途中で手前を左に替え、内に大きく切れ込んでいたが、2戦目では、手前こそ替えていたが、ずいぶんまっすぐ走るようになっていた。
さらに、牡馬のペールエールに一気に馬体を寄せられても怯むことなく、伸び切った。ペールエールはそのレースで2着となり、次走のデイリー杯2歳ステークスでも3着となった強い馬だ。
タイプが違う2強の戦いは面白い。
そして、この新潟2歳ステークスでコンマ4秒差の3着だった牝馬のビッククインバイオは、2走後、リアアメリアが勝ったアルテミスステークスでコンマ2秒差の3着になっている。
そうした比較からも、リアアメリアとウーマンズハートは、いい勝負になりそうだ。
かつて、ウオッカは大きなストライドで差す競馬を得意とし、ダイワスカーレットは先行して押し切るレースで結果を出した。ウオッカは、鮮やかな勝ちっぷりと、負けるときの脆さに大きなギャップがあったのに対し、ダイワスカーレットは12戦8勝2着4回と、一度も連を外さなかった。
好対照だからこそ、面白い。