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勝てば残留、負ければプレーオフ。
それでも湘南がピリつかない理由。

posted2019/12/04 11:40

 
勝てば残留、負ければプレーオフ。それでも湘南がピリつかない理由。<Number Web> photograph by Getty Images

7月に湘南ベルマーレへ「戻ってきた」山田直輝。残留を決めて、その意味を誇示したい。

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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 湘南ベルマーレにとって今シーズンの大一番がやってくる。

 12月4日現在、16位、勝ち点35の湘南は、最終節の松本山雅戦に勝てば、勝ち点38で清水(勝ち点36)対鳥栖(勝ち点36)の結果にかかわらず、J1残留を自力で決めることができる。引き分けでも清水が負け、あるいは鳥栖が4失点して敗戦すれば残留が決定する。

 だが、両チームが引き分けで湘南も松本に引き分けか、あるいは敗れるとJ1参入プレーオフに回ることになる。一発勝負ほど怖いものはない。ましてや残留と昇格をかけたデスマッチ、何が起こるかわからない。松本に勝ってスッキリと残留を決めたいところだ。

 さいわい、湘南は良い流れで最終戦を迎えられそうだ。

「セレッソ大阪戦から自分たちの戦い方を思い出して戦えるようになってきた」

 梅崎司が語るように、セレッソ戦は負けはしたが内容は悪くなかった。つづくFC東京戦も先制点を奪い、終了間際に森重真人のスーパーゴールで1-1の同点に追いつかれたが、湘南らしさが出ていた試合だった。

山田直輝の珍しいガッツポーズ。

 そして広島戦、湘南は全盛期のようなアグレッシブなサッカーを展開。前線からの激しいプレッシングでボールを奪い、何度も決定的チャンスを作った。多くのチャンスを作り、いいリズムでサッカーをしていると、得点も生まれやすい。

 前半9分に山田直輝が金子大毅からリターンをもらい、中へクロス。「味方じゃなくても誰かに当たってくれたらいいかなと思って出した」というボールは、相手DFに当たってゴールし、先制点が生まれた。

「オウンゴールだったけど、苦しい時期を乗り越えてきたので、みんなで喜びを分かち合いたかった」

 山田は、珍しくガッツポーズを見せ、仲間の輪の中心で喜びを爆発させた。

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