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超豪華メンバーのダート王決定戦。
3歳の「アロンダイトの甥」が強い。
posted2019/11/30 19:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
もしここに昨年の覇者ルヴァンスレーヴがいたらどうなっていたのだろう。そう思ってしまうほど、今年の第20回チャンピオンズカップ(12月1日、中京ダート1800m、3歳以上GI)には、ものすごいメンバーが揃った。
有力どころを内枠から見ていくと、芝のGIホープフルステークスを勝ったタイムフライヤー、JBCクラシックの覇者チュウワウィザード、今年のフェブラリーステークス優勝馬インティ、ジャパンダートダービーを制した無敗の3歳馬クリソベリル、今年の帝王賞など統一GIを2勝しているオメガパフューム、今年の川崎記念優勝馬のミツバ、一昨年ここを勝ったゴールドドリーム、といった具合だ。
さらに、先週のジャパンカップにも出場していたランフランコ・デットーリ、ライアン・ムーア、オイシン・マーフィーら、外国の超一流騎手が参戦するのだから、見応えのあるレースにならないわけがない。
クリソベリルはアロンダイトの甥。
昨年ここを3歳でありながら圧倒的な強さで制したルヴァンスレーヴは、左前脚の不安のため長期休養中だ。前身のジャパンカップダート時代に3歳で圧勝したクロフネ級の名馬になり得る逸材だけに寂しいが、実は前述したチュウワウィザード(牡4歳、父キングカメハメハ、栗東・大久保龍志厩舎)は、ルヴァンスレーヴのいとこ(母の半姉の息子がルヴァンスレーヴ)なのだ。
2走前の帝王賞で2着に負かされたオメガパフュームを、前走のJBCクラシックで下してGI初制覇。13戦8勝2着3回3着2回とデビュー以来4着以下がないという高いレベルでの安定ぶりは、いとこのルヴァンスレーヴに通じるものがある。
「3歳つながり」で言うと、ジャパンカップダート時代の2006年、3歳のアロンダイトがここを完勝した。6月に未勝利を脱出してからわずか5カ月強で頂点に登り詰めた強さは印象的だった。
今年、5戦5勝でここに出てきたクリソベリル(牡3歳、父ゴールドアリュール、栗東・音無秀孝厩舎)は、そのアロンダイトの甥(母の全弟がアロンダイト)なのである。