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超豪華メンバーのダート王決定戦。
3歳の「アロンダイトの甥」が強い。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/11/30 19:00
ここまで全勝と底を見せていないクリソベリル。3歳での勝利となれば史上5頭目の快挙だ。
勝てば史上5頭目の快挙。
ここに至るまで、5勝すべてで2着を3馬身以上突き放しているのだから恐ろしい。前走の日本テレビ盃で古馬勢との対決も済ませており、格負けする心配もない。
半姉にエリザベス女王杯と宝塚記念を勝ったマリアライトがいることから、成長力という点でも期待できる。
3歳でチャンピオンズカップと前身のジャパンカップダートを制したのは、前述のクロフネ、ルヴァンスレーヴ、アロンダイトのほか、'05年に勝ったカネヒキリ('08年も優勝)しかいない。クリソベリルは、これら4頭の名馬に次ぐ5頭目に名を連ねることができるか。
インティは前走の15着が気になる。
ここで印を。
◎クリソベリル
○チュウワウィザード
▲タイムフライヤー
タイムフライヤー(牡4歳、父ハーツクライ、栗東・松田国英厩舎)に印をつけたのは、NHKマイルカップとジャパンカップダートで芝ダートGI制覇を果たした、同じ松田厩舎の「クロフネの再来」を期待しての応援票のようなもの。
ダート路線に転向して3戦目となった前走の武蔵野ステークスで2着と、久しぶりにいいところを見せてくれた。
一昨年のホープフルステークス以来、2年近く勝ち鞍がないが、先週のジャパンカップを勝ったマーフィーが、新たな強さを引き出してくれるかもしれない。
インティを無印にしたのは、いくら序盤の入り方がまずく、4コーナーで他馬と接触する不利があったにしても、15着と大敗した前走が気になるから。以前は1800mでも強さを発揮してきたが、今は1600m以下のほうが競馬をしやすくなっているような気がする。
しかし、ここを勝てば、安田記念とマイルチャンピオンシップを勝ったインディチャンプ同様、春秋王者決定戦の連覇となり、最優秀ダートホースが確定する。そうなれば、こちらは「インディチャンプの再来」というか「インディチャンプの再現」か。
ともあれ、超豪華メンバーによるダート王決定戦を、存分に楽しみたい。