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ACL決勝だからこそ感じられたこと。
レッズ、この完敗を意味あるものに。
posted2019/11/25 19:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
完敗。
2019年ACL決勝戦、浦和レッズはサウジアラビアのアルヒラル相手にファーストレグ0-1、セカンドレグ0-2。合計得点0-3と屈した。
アルヒラルとは2年前の決勝でも対戦しているが、その時からペルー代表のアンドレ・カリージョ、元イタリア代表のセバスティアン・ジョビンコ、元フランス代表のバフェタンビ・ゴミといった攻撃陣が加わり、DFラインにも元韓国代表のチャン・ヒョンスを補強。以前とは違うチームに変わっていた。
ファーストレグでは20数本のシュートを打たれながらも、1失点で抑えた。
「アウェイを1失点で抑えられたので、逆にホームではチャンスだと信じて戦っていました。(ファーストレグから)2週間空いて、準備をしてきた前からいく守備がハマっていた。2点獲らないと勝てない。それでも1ゴール決めれば延長戦もある。まずは0-0の時間、失点しない時間を長く作ることが重要だった。
そういう意味では前半は相手もやりづらそうだったし、感触もよかった。これは行けるんじゃないかなと思っていた」
岩波拓也がそう振り返る。
0-0は悪い時間ではなかったが。
油断していたわけではない。油断できるほどの余裕はなかったはずだ。
相手は寄せも速く、フィジカル能力だけでなくテクニックもある。それでもラストパスがエースストライカーのバフェタンビ・ゴミに集まる相手の攻撃をなんとか抑えていた。
そのうえ、数はすくなくとも浦和が相手ゴールに迫るシーンもあった。左の関根貴大からパスをもらった興梠慎三がドリブルで突破し、PA中央で長澤和輝が落としたボールを関根がシュートするも、相手DFに跳ね返された。その後も左の関根、右の橋岡とつないだ青木拓矢のシュートチャンスも生まれている。
0-0でもアルヒラルは優勝できる。というのに、アルヒラルが攻撃の手を緩めることはなかった。
だからこそ、無失点で抑えていればカウンターで好機を見いだせるという思惑が浦和にはあったかもしれない。
しかしそのカウンターも、相手が上手だった。