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ヤンキース盟主復権へ大補強計画。
FAエース両獲り+サプライズな男。
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2019/11/18 11:30
サイ・ヤング賞はアストロズの同僚バーランダーに譲ったものの、今季20勝5敗、326奪三振、防御率2.50と圧倒的な投球を見せたコール。
「組織の外から獲得する機会を」
さすがに、2人の「両獲り」は現実的ではないだろうが、2009年にはCC・サバシアとAJ・バーネットの大物先発2人を同時に獲得した前例もある。
同GMは、既に2人の共通の代理人でもあるスコット・ボラス氏と交渉を開始していることを認めたうえで、ベストのシナリオを意味するAプランのほか、Bプラン、Cプランなど柔軟な補強策を用意していることを明かした。
さらに、この両先発だけでなく、「サプライズな男」を視野に入れていると、現段階ではウワサにも上がっていない秘策があることも付け加えた。
「FAでもトレードでも、組織の外から獲得する機会を探っていきたい」
想像の域を出ないが、クローザーのチャップマンとは再契約しただけに、この「サプライズ」は、左打ちの大砲か、または大物遊撃手あたりか――。
FA市場に適材がいないようであれば、7月末のトレード期限直前のような、若手の有望株を含めた大型トレードも辞さないつもりだ。
ワールドシリーズにハングリー。
今季は、チームの総年俸が規定額の2億600万ドル(約225億円)を超え、レッドソックス、カブスと同様にぜいたく税を支払う対象となったが、オーナーのハル・スタインブレナー氏は、意に介するどころか、大補強に「GOサイン」を出したという。
「我々は、現段階でも強力な先発投手陣を持っている。確かに、今季もポストシーズンまで長い間、戦った。ただ、あと少し足りなかった。我々は、ワールドシリーズに対してハングリーなんだ」(同GM)
ヤンキースにとって、10年以上、世界一どころか、ワールドシリーズの舞台にすら立てないことは、1980年代から'90年代後半の「暗黒の時代」に近付くことを意味する。
28回目の世界一へ。
「盟主復権」の大号令のもと、本気度十分のヤンキースが、空前の大型補強で周囲をアッと言わせる可能性は、かなり高い。