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遠藤航、移籍2カ月半後のドイツ初戦。
トップ下出場も「大きなステップ」。
 

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本田千尋

本田千尋Chihiro Honda

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posted2019/11/08 19:00

遠藤航、移籍2カ月半後のドイツ初戦。トップ下出場も「大きなステップ」。<Number Web> photograph by Getty Images

初出場の試合後、笑顔を見せた遠藤航。ついにブンデス2部での挑戦のスタートラインに立った。

「自分と向き合った」2カ月半。

 ようやく訪れた出場機会。事前にティム・バルター監督からドレスデン戦で起用するといった話はなかったという。しかし、後ろ髪がない気まぐれな女神にも例えられる「チャンス」の性質を、遠藤は心得ていた。

「中盤にいい選手が多いのは分かっているので、僕は練習からしっかりハードワークし続けるだけです。そして、今日みたいにこうやって急にチャンスが巡ってくることを常にイメージしながら準備はしていました。まずはこのドレスデン戦で試合に出たことが大事だし、また練習からしっかりやっていくことが重要だと思います」

 そしてなかなか「チャンス」に恵まれなかったにもかかわらず、この2カ月半を遠藤は「しっかり自分と向き合ういい時間だった」と言う。公式戦のベンチに入ったり入らなかったりを繰り返す中、思うようにいかない時間も経験になる…そんな風に考えていた。冷たい風が吹き始めた9月の終わり、アルミニア・ビーレフェルト戦の後では、次のように話している。

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「これだけ試合に出場できていない状況というのは、プロになって初めてですけど、これもいい経験だと思いますし、こういう時間こそが大事なのかな、と思ってやっています」

深く考え過ぎず、チャンスが来ると。

 2010年に湘南ベルマーレでデビューして以来、'16年に浦和レッズに移籍し、それから2年後にヨーロッパへ新天地を求めたシント=トロイデンVVと、怪我で離脱していた時を除けば、遠藤は常にチームの主力として活躍してきた。

 シュツットガルトに移ってきて「これだけ試合に出場できていない状況」は、日本代表の選手としてリオデジャネイロ五輪で主将を務め、ロシアW杯のメンバーに選出され、そしてUAEでアジアカップを戦った、いわば“エリート”の遠藤にとって、初めてと言っていい「時間」だった。しかし、ちょっとした“壁”は想定内だったという。

「もちろんいきなり使われることもありますけど、そんなに簡単ではないことは移籍前から分かっていました。試合に出られない可能性も頭の中で描きながら、シュツットガルトに来ている。なのであまり深く考え過ぎずというか、いつもチャンスが来ると思いながら、常に練習に取り組んでいましたね」

【次ページ】 特殊な戦術にも感じるやりやすさ。

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