野球のぼせもんBACK NUMBER
ソフトバンクの超逸材はどうしてる?
スチュワートが三軍で勉強中のこと。
posted2019/08/28 19:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
セ・リーグに続き、パ・リーグも優勝マジック点灯はもう時間の問題だ。いや、今週末の天王山から、あるいはライオンズの猛追が本格化するかもしれない。ともかくレギュラーシーズンが佳境に入ってきた。優勝の行方や順位争いに一喜一憂する毎日となってきた。プロ野球が本当に面白くなるのはここからだ。
そうやって先ばかりを見始めると、過去が曖昧になる。前半戦の出来事が随分昔のことに感じる。あんなこと、こんなことが幾らでもあったのに。
憶えているだろうか。
昨年のメジャーリーグのドラフトでアトランタ・ブレーブスから1巡目、全体8位で指名を受けた超逸材が19歳にして日本球界入りを果たしたニュースのことを。
5月にホークスと契約を交わしたカーター・スチュワート・ジュニアだ。
来日当初は大騒ぎだった。入団会見はもちろん、練習で始動した、キャッチボールをした、ブルペンだ、打者相手にはいつ投げるのかと一挙手一投足が話題になった。原則隔週の当連載でも6月に彼のことを書いた。
パタリと報道が止まった。
しかし、ここ最近はパタリと情報がなくなった。首都圏はともかく、地元メディアでもほぼゼロだ。じつは筆者も他取材との兼ね合いがあり、1カ月半以上もノーマーク状態が続いていた。
一体、どうしているのか。結論から言えば、スチュワートは7月9日の三軍練習試合で九州の社会人チームを相手に実戦デビューを果たして以降、ずっと三軍で投げ続けている。球団の公式サイトには三軍の試合結果や選手成績が掲載されるので、チェックは行っていた。
すると、一体何が起きたというのか。8月17日、北海道の釧路市民球場で行われた亜細亜大学との一戦である。
スチュワートが大学生相手に4回6失点と炎上してノックアウトされていたのだ。1イニングでの大量失点ならば、偶発的にその回だけ何かあったのかと想像できるが、初回1点、2回2点、3回は0に抑えるも、4回は3点と“きちんと”失点を重ねていたのだ。