にわか、オフロードパス、ジャッカル。

「南アフリカ戦後の中継で五郎丸さんとやりとりした『にわか』という表現をいろいろなところで取り上げていただきました。ラグビーは見る人の知識のギャップが大きい競技です。そこをどう埋めるかを一番考えるんですが、今大会は時間が経つに連れてその意識も大きく変わりましたね。

　例えば『オフロードパス』。『タックルをされながらパスでつなぐプレー』と言わなくても『オフロードパス』という単語だけで理解してもらえるようになりましたし、もちろん補足をしますが『見事なジャッカルでした』でも十分に伝わるようになりました。4年前はイングランドにいたので肌で感じることができませんでしたが、今回はそういった変化を感じながら実況や中継をすることができた。自国開催の意義を感じました。

　また、今回導入された『自由視点映像』など、より競技を深く理解できるようなコンテンツはさらに増えていくと思います。私たちも新たなスキルを身につけて、スポーツの魅力をお届けできるよう、精進しなければと思っています」

　将来のスポーツ実況のスタイルについても抱負を語ってくれた。

　そんな豊原には最後の大仕事が待っている。

　日本を破った南アフリカとエディー・ジョーンズ率いるイングランドの決勝戦だ。11月2日、世界最高峰の戦いでどんな言葉を残すのだろうか。またひとつ楽しみが増えてしまった。