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<GORO's EYES 五郎丸解説>
決勝展望――優勝を占う3つのキーワード。
posted2019/11/01 15:00
text by
五郎丸歩Ayumu Goromaru
photograph by
Yuka Shiga
ついに決勝へと駒を進めたのは、前回大会で開催国ながらプール戦敗退の憂き目を見たフットボールの母国と、3度目の栄冠を目指すスプリングボクス。熱戦必至のファイナルを、元日本代表・五郎丸歩が展望する。(Number989号掲載)
エディー・ジョーンズさんが率いるイングランド。そして、日本代表が2大会連続で対戦した南アフリカ。
決勝は日本にもなじみの深い2チームの顔合わせとなり、緊張感があふれる戦いになるだろう。
準決勝の2試合を見た上で、決勝のキーワードとなってくるのは「ディフェンス」、「選手起用」、そして「キック」の3つの要素だ。
まずディフェンスから分析していくと、準決勝でイングランドはニュージーランドがやりたいことを完璧に抑え込んだ。現代ラグビーではタッチライン際の狭いスペースにおける攻防が重要な意味を持つが、オールブラックスの選手が大外でボールを持つと、3人、4人と襲い掛かり、好きなことを一切させなかった。特にFLのアンダーヒルは勝負どころでのジャッカル、強烈なタックルで相手に刺さるなど、素晴らしい働きを見せていた。決勝でも彼がボール争奪戦で鍵を握るだろう。
それに対して、南アフリカのディフェンスはうまいというよりも、「圧」で日本、そしてウェールズを抑え込んできた。素早く前に出て、圧力をかけ続けて相手のミスを誘い、体力を奪っていく。それを80分間継続できるのは驚異的というほかない。穴はありそうなのだが、それを相手への圧力でカバーしている。