スタンドから「ジャポン」コール。

　その後は、日本の高い位置からのプレスが効くようになり、ボランチの田中聡（湘南U-18）と藤田譲瑠チマ（東京Vユース）が中盤で相手ボールを猛然と奪い返し、主将のCB半田陸（山形ユース）を中心とする最終ラインもオランダ選手の意図を読み取って的確に対応する。

　守備が安定すると、攻撃にもリズムが出てくる。

　相手守備陣の裏を狙ったパスが出るようになり、これを若月大和（桐生第一高／湘南内定）と西川潤（桐光学園高／C大阪内定）がスピードでマーカーを凌駕してチャンスを作る。

　21分、右サイドの深い位置へのロングボールを若月が収めると、ヒールで相手の意表を突くバックパス。これを受けた西川が、左足で強烈なシュートを放つ。これは惜しくも外れたが、スタンドからは大歓声が上がり、「ジャポン（日本）」コールが起きた。

　そして36分、西川からのスルーパスを若月が右足で蹴り込んで先制。後半も序盤こそオランダに攻め込まれたが、守備陣が奮闘して少しずつ盛り返した。迎えた69分、中盤での田中の見事なボール奪取から西川が再び絶妙のスルーパスを送り込み、若月が押し込んだ。

　この2点目で、オランダは意気消沈したようだった。

現地紙いわく「驚愕のプレー」。

　日本は77分にもPKを西川が決め、3－0。終盤には、観衆が日本選手のパス回しに「オレー！」と掛け声を送って大はしゃぎ。予想外の大差で、日本がオランダを一蹴した。

　これには、地元メディアも驚きを隠せない。

　スポーツ電子版『グローボ・エスポルチ』は、「日本が驚愕のプレーでオランダを叩きのめす」の見出しでこの一戦をこう伝えた。

「日本は序盤は劣勢だったが、守備を修正してリズムをつかみ、西川と若月の見事な連携で先制。後半にもこの2人の輝きで加点し、さらにPKを決めて快勝した」

【次ページ】　賞賛は西川＆若月だけでなく。