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ガンバの有望株を日本語で励ます、
アデミウソンは天才肌かつエエ奴。 

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下薗昌記

下薗昌記Masaki Shimozono

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photograph byGAMBA OSAKA

posted2019/10/10 11:40

ガンバの有望株を日本語で励ます、アデミウソンは天才肌かつエエ奴。<Number Web> photograph by GAMBA OSAKA

世代別ブラジル代表にも名を連ねたアデミウソン。宇佐美貴史らとの連係でガンバらしい攻撃力をもっと見せてほしい。

「僕に高い投資をしてくれたのに」

 ガンバ大阪に移籍後、3年連続での無冠が決まった昨年末、アデミウソンが口にした言葉に筆者は感心したことがある。

「クラブは高い投資をして僕を獲得してくれたのに、未だにタイトルを取れていない。来年こそは何とか優勝したいんだ」

 マグノ・アウベスやシジクレイ、ルーカスら数多くの素晴らしいブラジル人選手を取材してきたが、自身のコストパフォーマンスに言及したブラジル人はアデミウソンが初めてだった。

 タイトルへの渇望――。アデミウソンが秘めた想いは、ルヴァンカップ準決勝でも随所に見て取れた。まだスコアレスで試合が推移していた42分のこと。札幌のCKがルーズボールになると、アデミウソンは自陣の右サイドで猛然とスライディングを繰り出し、守備に奔走するのだ。

 決定力に波はあるかもしれないが、ハードワークとチームへの献身的なプレーは今季、ブラジル人助っ人が継続して見せてきたものだった。

大阪ダービーで見せた意地。

 象徴的な1日がある。

 9月28日に行われたセレッソ大阪との大阪ダービーで、ガンバ大阪はリーグ戦で実に7年ぶりとなる敗戦を喫したが、アデミウソンは王国のダービーを知る男ならではの意地を披露した。

「ダービーはモチベーションが高いし、僕も先発でプレーしたかった。プレーしたかったんだ」

 プレーしたかった、と同じ言葉を2度繰り返すあたりにその悔しさが見て取れたが、アデミウソンがパトリックとともにピッチに送り出されたのは致命的な3失点目を喫した直後のことだった。

 宮本恒靖監督の采配の遅さが出たこの一戦でも、生真面目なアデミウソンは出場直前にパトリックとこんな話をしたという。

「このままだと、チームが下を向き続けて、さらに失点が続いてしまう。僕らが入ってやれることにベストを尽くそう」

【次ページ】 ガンバの名誉のために放った一撃。

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