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ガンバの有望株を日本語で励ます、
アデミウソンは天才肌かつエエ奴。 

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下薗昌記

下薗昌記Masaki Shimozono

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photograph byGAMBA OSAKA

posted2019/10/10 11:40

ガンバの有望株を日本語で励ます、アデミウソンは天才肌かつエエ奴。<Number Web> photograph by GAMBA OSAKA

世代別ブラジル代表にも名を連ねたアデミウソン。宇佐美貴史らとの連係でガンバらしい攻撃力をもっと見せてほしい。

スペイン人のコンチャも食事に誘う。

 今年3月、スペイン人のダビド・コンチャがチームに加わった際も通訳のいないコンチャをいち早く夕食に誘ったのはアデミウソンだ。互いに言葉が通じず、英語をメインに会話せざるを得なかった2人だったが、「僕も若くして海外でプレーして来た。慣れない異国で過ごす気持ちが分かるからね」(アデミウソン)。

 とにかく「エエ奴」なのだ。

 もちろん、人柄よりもプレーで評価されるべきプロサッカー選手である。

 9月14日のサガン鳥栖戦ではサイドハーフで途中出場し、終了間際にピンポイントクロスで渡邉千真の決勝点をお膳立てしたり、前述の通り北海道コンサドーレ札幌戦で大暴れしたりと、アデミウソンはピッチ内でも存在感を見せはじめている。

 今年でガンバ大阪との契約は満了するが、クラブは契約を延長する方針で、すでにエージェントにも伝えている。

 松波正信強化部長は言う。

「今シーズンの最初はブラジル人が彼ひとりだったので、日本人や韓国人とコミュニケーションも積極的にとっていた。そういう環境も彼の人間的な成長につながっているし、プレーの質はボールを止める、蹴るを含めて非常に高い。それに献身的にやってくれる。基本的には来年もうちでやってほしいとオファーは出している」

 松波強化部長の判断はもっともだ。昨年序盤まで悩まされたグロインペイン症候群も癒え、日本のサッカーに完全適応したブラジル人助っ人は他のJリーグクラブにとっても魅力的な存在のはず。ガンバ大阪が契約を延長しなければ、他クラブが手をあげるはずだ。

来季はフィニッシャーとしても期待。

 ただ、横浜F・マリノスでプレーした2015年を含めて、過去4シーズン、Jリーグでは2桁得点に達したことがない。歴代のブラジル人エースと比べると物足りないのは事実で、ガンバ大阪では移籍1年目の9得点が最高成績だ。松波強化部長はフィニッシャーとしての役割も来季はさらに求めるつもりだという。

「点を取ることはもっともっと、求めていきたい。10点以上取ってくれないといけない選手だと思うし、そういう意味ではまだ足りない」(松波強化部長)

「未完のクラッキ」にとって、来年はガンバ大阪で5シーズン目。心優しきブラジレイロ(ブラジル人)は、まだその伸びしろを隠し持っている。

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