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ガンバの有望株を日本語で励ます、
アデミウソンは天才肌かつエエ奴。
posted2019/10/10 11:40
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph by
GAMBA OSAKA
ガンバ大阪が北海道コンサドーレ札幌を2-1で振り切ったルヴァンカップの準決勝第1戦は、良くも悪くもアデミウソンらしさが発揮された一戦だった。
5日前に行われたJリーグでも同じカードが実現したが、アデミウソンは1得点2アシストの大活躍。5-0という圧勝を牽引したプレーは、かつてU-21のブラジル代表で背番号10を担った男のそれだった。
しかし、気まぐれなブラジルの天気同様、アデミウソンの出来は読みづらいのも事実である。
ルヴァンカップの顔合わせでは開始早々の1分、倉田秋のパスに抜け出し、相手GK菅野孝憲の頭上を越すループシュート。しかしこの絶好の先制機で、シュートはゴールをとらえることはできなかった。
難しいゴールを決める一方で……。
ブラジル屈指の名門、サンパウロの下部組織で育ったアデミウソンはサッカー王国の超エリートコースを歩んできた。
名古屋グランパスのガブリエル・シャビエルや、かつて鹿島アントラーズでプレーしたカイオがサンパウロのトップチームにたどり着けなかったのとは対照的に、アデミウソンはサンパウロでプロデビュー。2013年にはクラブ史上最年少となる19歳でコパ・リベルタドーレスでゴールを決め、未だにその記録は破られていない。
難易度の高いシュートをこともなげに決める一方で、イージーなはずのシュートをあっさりと外してしまうのは、逸材の悪癖の1つなのである。
プレー面だけで判断するならば、ブラジル生まれの選手にありがちな「気まぐれなストライカー」とみられても仕方ないアデミウソンだが、実は一方で日本人顔負けの真面目さも持ち合わせている。