箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
大学駅伝シーズンが出雲でスタート。
BIG3を脅かす國學院、そして……。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byYuki Suenaga
posted2019/10/12 11:30
平成最後の箱根駅伝で5区区間賞を獲得した國學院大の浦野雄平はトラックでも絶好調、現大学界最強ランナーと言っていいだろう。
青学は最強世代の離脱が響くか。
2連覇を狙う青学大だが全体的な戦力は、昨シーズンの「最強の世代」と言われた森田歩希、小野田勇次、橋詰大彗慧、林奎介、梶谷瑠哉が抜けた穴が大きく、それを補うだけの戦力が整っていない。
春のトラックシーズンもやや低調だった。関東インカレ2部5000mでは8位内の入賞者がおらず、最高は岸本大紀(1年)の13位。1万mも飯田貴之(2年)の16位が最高、ハーフで吉田祐也(4年)が4位、竹石尚人(4年)が8位に終わった。9月の日本インカレ1万mでも湯原慶吾(2年)が10位、鈴木塁人(4年)が13位。唯一、5000mで吉田圭太(3年)が日本人トップ、総合3位に入って好調を印象付けた。
夏合宿を終えて、全体的にギアを上げてきているようだ。
エース候補の吉田に加え、中村友哉(4年)、生方敦也(4年)のスピード系に加え、中間系の神林勇太(3年)、持久系の竹石ら選手が揃い、全体のバランスは悪くはない。
原晋監督は3年前、ルーキーだった現キャプテンの鈴木を1区に起用し、昨シーズンの箱根でも8区で飯田貴之(1年)を起用するなど大胆なルーキー起用が得意。今回も箱根で活躍できる「駅伝男」を見つけるために積極的に岸本ら駅伝ルーキーを起用してくるはずだ。
ただ、昨年のような1区からトップをキープした完全優勝は難しい。前半の3区間をトップ集団でレースし、アンカー予想の竹石で勝負できる展開になれば2連覇が見えてくる。
東洋大は昨年の経験が生きるか。
昨年、青学大とアンカーでドッグファイトを繰り広げた東洋大も不気味だ。
関東インカレの5000mでは相澤晃(4年)が5位に入り、ハーフでは宮下隼人(2年)が2位、定方駿(4年)が6位に入った。日本インカレでは相澤、吉川洋次(3年)ら出場予定だった選手が出走を取りやめている。夏合宿後、調整の一環として10月の日体大記録会5000m(20組)に主力が出走したが、タイム的にはもうひとつだった。
ただ、昨年度、準優勝したメンバーは、相澤、吉川、西山和弥(3年)、今西駿介(4年)の4人残っている。
また、昨年は故障のために駅伝に絡めなかった渡邉奏太(4年)が復活し、相澤が高く評価し、成長著しい宮下がいる。さらに前回の箱根8区で東海大に抜かれて悔し涙を流した鈴木宗孝(2年)、10区で青学大に抜かれて3位に落ち、悔しい思いをした大澤駿(3年)は日体大記録会5000m(20組)で部内トップの走りを見せた。
例年、優勝争いをしている経験があるチーム。1区予想の西山から3区に入るだろう相澤でリードする展開ができれば、つなぎ区間には渡邉、今西らがおそらく入る。8年ぶりの優勝を果たし、箱根につながる戦力を高められるか。