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凱旋門賞、日本勢大敗のショック。
タフな馬場の攻略法は見つかるのか。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2019/10/07 11:50
日本勢で最先着はキセキの7着。ヨーロッパと日本の環境の差を乗り越えて凱旋門賞を勝つ馬は、いつ現れるだろうか。
実力は世界トップレベルだけに。
キセキに騎乗したクリストフ・スミヨンは「重い、難しい馬場で、スピードに乗るのに時間がかかった」と、タフな馬場を敗因に挙げているが、それはほかの馬たちにとっても同じ条件だ。
キセキはこれまでの日本馬同様、仏シャンティイに滞在して調整された。ブラストワンピースとフィエールマンのノーザンファーム生産馬2頭は、今回、ニューマーケットに滞在して坂路調教で仕上げて前日輸送という形を取った。
どちらがいいのかはわからないが、ディアドラのように「ヨーロッパ仕様」の走りをマスターするには、やはり時間が足りなかったのかもしれない。
ドバイや香港などで行われるGIの結果が示しているように、日本馬の実力は確実に世界のトップレベルにある。あとは、その舞台にいかにフィットするか、だ。
1969年に野平祐二のスピードシンボリが初参戦してからの半世紀では、世界最高峰に登り詰めることは叶わなかった。悲願達成までさらに半世紀を要するのか、もっと早く喜びに浸ることができるのか。これからもチャレンジをつづけることが、その答えを出す唯一の方法であることは間違いない。