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凱旋門賞のド本命はエネイブル。
日本馬にもチャンスはあるが……。

posted2019/10/05 20:00

 
凱旋門賞のド本命はエネイブル。日本馬にもチャンスはあるが……。<Number Web> photograph by AFLO

5歳になってもエネイブルの強さはまったく衰えていない。2019年は3戦全勝、この怪物にスキはあるのか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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 今年の第98回凱旋門賞(10月6日、仏パリロンシャン芝2400m、3歳以上GI)には3頭の日本馬が出走する。

 昨年の有馬記念を制したブラストワンピース(牡4歳、父ハービンジャー、美浦・大竹正博厩舎)と、昨年の菊花賞と今春の天皇賞を勝ったフィエールマン(牡4歳、父ディープインパクト、美浦・手塚貴久厩舎)、そして、一昨年の菊花賞馬キセキ(牡5歳、父ルーラーシップ、栗東・角居勝彦厩舎)である。

 日本馬3頭というのはハープスター(6着)、ジャスタウェイ(8着)、ゴールドシップ(14着)が出走した2014年に並ぶ最多タイ。今年は武豊がフランスのソフトライトで出走するし、12頭立てという少頭数だ。20頭立てだった'14年より、日本の人馬の占める割合はずっと大きくなる。

「ミスター競馬」野平祐二が乗るスピードシンボリが1969年に日本の人馬として初めて凱旋門賞に参戦(着外)してから50年。これまでのべ23頭が挑戦し、'99年エルコンドルパサー、'10年ナカヤマフェスタ、'12、'13年オルフェーヴルの2着が最高着順だ。

 日本のホースマンにとって悲願となっている世界最高峰の頂上に、今年出走する3頭はどこまで近づくことができるだろうか。

筆頭は今年もエネイブル。

 強い馬しか出てこないのが凱旋門賞なのだが、今年も例年以上に恐ろしく強い馬が、いい状態で出走してきそうだ。

 その筆頭が、史上初の凱旋門賞3連覇を狙うエネイブル(牝5歳、父ナサニエル、英ジョン・ゴスデン厩舎)である。

 昨年は、負傷の影響で年明け初戦、つまり、一昨年の凱旋門賞を勝って以来の実戦が9月8日のGIIIセプテンバーステークス(1着)となり、さらに中間に熱発するなど、ギリギリ凱旋門賞に間に合わせた印象だった。

 それに対して今年は、7月6日のGIエクリプスステークスを勝ち、同月27日のキングジョージ6世&クイーンエリザベステークスを制覇し、前走、8月22日のヨークシャーオークスを完勝してここに来た。

【次ページ】 史上初の3連覇の可能性は高い。

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