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ランナーズハイとは自分を映す鏡?
「ハイ」の達人・片山右京が語る事。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

PROFILE

photograph byWataru Sato

posted2019/10/03 07:00

ランナーズハイとは自分を映す鏡?「ハイ」の達人・片山右京が語る事。<Number Web> photograph by Wataru Sato

現在は、東京オリンピック・パラリンピックの自転車競技の運営責任者を務める片山右京氏。

F1の記憶を全部リリースした。

 人間の集中力の深さを表すこんな話も聞くことができた。

「この前までは、F1時代のことは全部が頭のメモリーに入っていたんです。何年のどこのグランプリ、何周目のどこのコーナー、エンジンは何回転とか何でもすぐに答えられた。写真を見たら、これってどこどこの何周目でしょって全部分かったんです。

 今は忙しすぎて、その記憶を全部リリースしたから『俺はF1に乗っていたんだっけ?』っていうぐらいになっている。それだけ覚えないといけないことが多いし、人間のキャパの問題もあるから(笑)」

 取材が終わって、テーブルに置いたレコーダーの停止ボタンを押す。録音を示す赤い“シグナル”が消えると、片山は「いやぁ、いい気分転換になりました」とすっと立ち上がった。オフィスに戻れば、再び息つぎなしで走らなければならないだろう。

 足早に取材場所のカフェを出た片山は、店の先のコーナーを曲がってすぐに加速していった。東京五輪が終わる頃には、F1やエベレストとも全く違う極限の体験が聞けそうだ。そう思いながら、どんどん遠ざかる背中を見送った。

発売中のNumberDo『秋のラン メンタル強化大作戦』では、片山右京さんの体験談たっぷりのインタビュー「ランナーズハイってアマチュアの特権だよね」を掲載。アマチュアの、特権? 気になりますよね。
その他にも、金哲彦×横田真人×小川壮太という3人のコーチによる座談会「キツくても最後まで走りきるために必要なこと」など、レース前後のメンタルの変化に焦点をあてた記事が数多くラインナップ。
走りやすい季節になってきた10月、ぜひお手にとってみてください。

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片山右京

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