“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
J2新潟を沸かせる期待のルーキー。
本間至恩に初めて届いた「歓声」。
posted2019/09/30 19:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
J.LEAGUE
“オレンジの閃光”がデンカビッグスワンスタジアムを大きく沸かせた――。
J2第34節・アルビレックス新潟vs.水戸ホーリーホックの一戦。J1昇格を射程圏内とする水戸を相手に、新潟は1-0で迎えた後半アディショナルタイム。19歳の新鋭MF本間至恩がドリブルを仕掛けて、PKを獲得した。これをFWレオナルドが冷静に決めて、試合を決定づけた。その後、レオナルドがもう1点を決め、終わってみれば3-0の完勝だった。
本間は今季、新潟U-18からトップへ昇格した。高2の2017年にすでにルヴァンカップでプロデビューを飾り、クラブ史上最年少出場記録を更新。昨年はリーグデビューとプロ初ゴールをマークするなど、“純新潟産”の期待のルーキーである。今季はスタメン出場こそ1試合もないが、リーグ20試合に出場。途中出場から得意のドリブルで流れを変えるジョーカーとして、吉永一明監督に重宝されている。
魅力がつまったPK獲得シーン。
正確なボールコントロールと上半身をうまく使ったアジリティーを駆使して、対峙するDFを翻弄。一気にカットインから決定的なシュートやラストパスを繰り出す。
「左サイドでボールを持ったら必ず何かが起こる」
サポーターの間でも日に日に期待感は増すばかりだ。
彼の能力がまさにあのPK獲得のシーンに凝縮されていた。
「まずは(失点)ゼロでチームとして終わらないといけないというのが絶対的にあって、その中で自分がチャンスがあれば追加点に絡むプレーができればなという思いを持ってピッチに入りました」
本間は81分にMF渡邉新太に代わってピッチに立つと、リードする状況もあって、まずは守備のポジショニングを意識した。だが、攻撃に移る際は積極的にボールを受けに行った。