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東京五輪世代が次々と海外移籍の中、
J2愛媛で長沼洋一はどう飛躍する?
posted2019/10/02 11:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
EHIME FC
今年の夏、東京五輪世代に名前を連ねるような選手たちが次々と新たな移籍先を求めた。
国内に限った話ではない。10代で海外に渡った日本人選手たちが結果を残し、U-20ワールドカップやコパ・アメリカでも世界と対等に戦えるところを示したことで欧州のクラブが日本の若手をリストアップ。結果、欧州のクラブに旅立っていく選手が増えていった。
一方、J2の愛媛に所属する長沼洋一は、その状況を眺めていることしかできなかった。周りの選手たちの急激な環境の変化。舞台がJ2からJ1へ、J1から海外へと移り行く姿を見て「焦るというか『マジか!』と思います」と苦笑いを浮かべ、その後に本音がこぼれた。
「みんないいなって思いますね」
山形、岐阜を経て愛媛でレギュラー。
プロ4年目、22歳。これまでのキャリアが輝かしいものだったかと言うと、そうではない。
2016年にサンフレッチェ広島のユースから昇格を果たしたものの、約1年半の在籍でリーグ戦の出場はなし。'17年はシーズン途中に育成型期限付き移籍で山形に、'18年は岐阜へと期限付き移籍を果たしたが、出場機会を大きく増やすことはできなかった。
しかし今年、広島に帰ることなく、再び期限付き移籍で愛媛加入を決断すると状況は一変。開幕戦からスタメンに名を連ね、「4年目にして初めて」レギュラーとして試合に常時出場している。
「今までシーズンを通して試合に出ることがなかった。今年が初めてなので、1試合ずつ良くなっていることを実感できている。ひとつひとつのプレーをどう良くしていくかは、試合に出続けないとわからないところがある。そういうところでは、やれる自信もちょっとずつ付いてきているかなと思います」
東京五輪世代としては旗揚げとなった'17年のタイ遠征に招集されると、それから度々五輪代表に呼ばれ、右ウイングバックのポジションにおいては最も招集歴のある選手となっている。