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東京五輪世代が次々と海外移籍の中、
J2愛媛で長沼洋一はどう飛躍する?
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byEHIME FC
posted2019/10/02 11:00
世代別日本代表の右サイドを預かる長沼洋一。2列目や最終ラインの選手が注目される中、愛媛でどれだけ自らを磨けるか。
「仲間でもありライバルでもある」
ただ、それでも長沼がまだまだ絶対的な選手と言えないところがある。なぜなら、五輪世代の選手が中心となったコパ・アメリカのメンバーに選ばれなかったからだ。
そこまでコンスタントに呼ばれながら、大舞台を経験できなかった悔しさは計り知れないところがある。
とはいえ、その悔しさを反骨心に変えた長沼は、今年のトゥーロン国際大会でゴールを奪うなど結果を残して日本の準優勝に貢献した。「守備も頑張るけど得点に絡める選手になればもっと怖い選手になれると思っている」と言い切るように、その攻撃的なスタイルがより切れ味を増していることをピッチでアピールして見せたのである。
トゥーロン国際大会で結果を残したこともあって、9月上旬にはトゥーロン組とコパ組が融合した北中米遠征に名前を連ねた。
だが、「隣にいる人たちがライバル。仲間でもありライバルでもあるので、その人たちに負けないように自分をアピールしていい結果が出ればいいなと思っています」と意気込んだ遠征だったが、右ウイングバックとして2試合ともに出場したが結果を残すことができなかった。
移動が多く、コンディションを含めて難しい試合となる中、「ああいう状況でやれるところを見せていかないとアピールにならない」と課題を残して帰国の途に着くことになった。
J1とJ2でレベルの差があるから。
五輪代表の右ウイングバックは攻撃だけでなく守備も求められる。そのためどれだけチームに貢献できるかがポイントの1つであるが、長沼は何より“攻撃における結果”を重視している。その真意について、以前に長沼は周りとのカテゴリーの違いを主題にしながら説明していた。
「やはりJ1とJ2ではレベルの差があると思っている。J2から選ばれているのは僕だけの時もあったし、やはりそこに難しさは感じます。ここにいたら(代表招集の度に)もう選ばれないのかなと思う方が多い。だからより結果は意識してしまいますね。結果を出さないと生き残っていけないから。
言ってしまえばJ2は代表期間にリーグが中断することもないし、そういう意味では代表に呼びづらいところもあると思う。でも、そういうこと関係なしに、有無を言わせずに代表に呼ばれたいというのは考えている。そのためにしっかり結果を残すことで生き残っていくしかない」