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遠藤航が加入のシュツットガルト。
斬新な監督、ブッフバルトも参画?
text by
島崎英純Hidezumi Shimazaki
photograph byGetty Images
posted2019/09/30 11:15
ベルギーのシント・トロイデンからドイツ挑戦を決めた遠藤航。1部復帰の立役者となれるか。
お家騒動が勃発していた最近のVfB。
先日久しぶりにドイツ南西部の街、シュツットガルトへ行く機会がありました。シュツットガルトはバーデン=ビュルテンベルク州の州都で人口62万人と、ドイツ国内では比較的規模が大きく、工業都市としても有名です。
特に自動車産業が盛んでして、メルセデス・ベンツで有名なダイムラー社や、現在はフォルクスワーゲン社の傘下になりましたがポルシェ社も、シュツットガルトを本拠としています。
そして、そのダイムラー社の英知が結集されたメルセデス・ベンツ博物館の横に、今季ブンデスリーガ2部に所属するVfBシュツットガルト(以下、都市名との混同を避けるためにVfBと記します)のホームスタジアム「メルセデス・ベンツ・アレナ」があります。
VfBは昨季16位となり2部との入れ替え戦に回り、2部3位のウニオン・ベルリンとのホーム&アウェー戦で2戦合計2-2ながらもアウェーゴール差で敗れ、2015-2016シーズン以来3年ぶりの2部降格を喫しました。
最近のVfBは“お家騒動”が勃発しています。昨季途中に幹部陣との意見が合わずにミヒャエル・レシュケSDが解任され、後任にはクラブOBのトーマス・ヒツルスペルガー氏が就きました。
ただ、ヒツルスペルガー氏の就任前に実行されたタイフン・コルクト監督からマルクス・バンツィール監督への指揮官交代が功を奏さず、結局バンツィール監督の後を受けたニコ・ビリヒ監督の下で降格を喫してしまったんですね。
その後、責任を問われたボルフガング・ディートリッヒ会長が職を追われ、現在は12月の選挙までクラブ会長不在という状況に立たされています。
バルター監督の斬新な練習方法。
ただ、ヒツルスペルガーSDには明確なプランがあったようです。昨季、チームが入れ替え戦にまわる前、おそらく2019-2020シーズンもトップカテゴリーで戦うと算段したなかで、ヒツルスペルガーSDはブンデスリーガ2部のホルシュタイン・キールを率いていたティム・バルター監督をVfBの指揮官として招聘したのです。
実は僕、以前にバルター監督の練習を見たことがあります。今年の3月、まだ極寒のドイツ北部の港湾都市キールで、当時ブンデスリーガ2部のキールに在籍していた奥川雅也(現・ザルツブルク/オーストリア)の取材に赴いたときでした。
バルター監督の練習方法は斬新で興味深いもの。トレーニングメニュー内容の詳細は割愛しますが、ひと目見ただけで、かなりフレキシブルなシステム、ポジションを形成するチームなのだなと感じました。
ちなみにGK練習がとても印象的で、小型トランポリンを利用してノーバウンドでボールキャッチしてそのまま投げ返すなんていう、見た目は楽しそうだけど多分凄いキツイんだろうなというメニューを、GKたちがキャッキャ言いながらこなしていました。