松岡修造のパラリンピック一直線!BACK NUMBER
結婚を決意した廣瀬悠(パラ柔道)の
真意に、松岡修造がさらに切り込む!
text by
松岡修造Shuzo Matsuoka
photograph byYuki Suenaga
posted2019/09/30 07:00
いつも笑顔が絶えない、パラ柔道の日本トップ選手同士の夫妻。障害のある無しを越えて、おふたりから学ぶことは多い。
悠「あの、僕、実際にモテるんで」
悠「あの、僕、実際にモテるんですよ。男性にも女性にも。出会ったときに嫌がられることはまずないです」
松岡「僕は……今日初対面だけど、ちょっとイヤですよ」
悠「ハハハハ。初めて言われました」
松岡「だって、こんなお話を聞いていたら、順子さんが健気に思えてきて仕方がないです」
悠「まあ、こんな話はそもそもしませんし、あまり聞かれませんから(笑)」
松岡「それはそうだけど(笑)」
悠「いろいろ聞かれて答えても、記事になる際にはそういうところはカットされますから」
松岡「でも、今日の記事ではカットしません!」
悠「はい。僕も、ありのままを知ってもらう方が良いので、大丈夫です」
順子「『なんで親が反対するの』って」
松岡「でも今ふと思ったのですが、確かに悠さんは、優しいところがあるんですよ。結婚をためらったのも、順子さんのことを思ってでしょ。まだ若いし、こんなに可愛いし、これからの人生まだたくさん楽しいことがあるよって。それを壊したくない気持ちがあったんだと思う」
悠「はい。確かに『オレなんかとは結婚しない方が良い』とはよく言ってました」
松岡「それで、順子さんの両親は悠さんとの結婚について、何と言ったんですか」
順子「障害者同士というところはまったく反対していなかったんですけど、やっぱりバツイチで年が離れているのを心配していましたね。特に母の方が反対でした。でも、私は母にこう言ったんです。『私が幸せになろうとしているのに、なんで親が反対するの』って。」
松岡「(一瞬の静寂を経て)……いやあ、すごいな。そこまで人を好きになれるって。うれしいですね、悠さん」
悠「まあそうですね。でも、とにかくモテるんでね。どうしようもないです、これは」