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NBAとBリーグの架け橋となれ。
馬場雄大のマブス契約の価値とは。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byKyodo News
posted2019/09/25 11:40
馬場が結んだと見られる「エキシビット10」は最大5万ドルのボーナスが支払われる1年契約で、1チーム6人まで結ぶことができる。
馬場とマーベリックスをつないだ人。
NBAのルールは、代表の国際大会(とそれに準ずるBリーグ)で採用されるFIBAルールとは、ファールの数や基準、試合時間やタイムアウトの数などが異なる。もちろんGリーグも、基本的にNBAに準じたルールだ。
NBAでのプレーを夢見るならば、Gリーグでプレーするためにアメリカにわたるメリットは十分にある。
なお、馬場のマーベリックスの接点はアルバルクから生まれた。Bリーグ初年度の2016-17シーズンまでアルバルクのHCを務めていた伊藤拓摩の存在だ。
彼はBリーグ初年度でHCの座を離れたが、アルバルクとはテクニカルアドバイザーとしての契約を残すことになっていた。
そのうえで伊藤は、2018年の10月から2020年の4月までレジェンズでコーチ研修を行っている真っ最中なのだ。実は伊藤は中学卒業後にアメリカで生活した時期があり、千葉ジェッツの富樫勇樹が所属したモントロス・クリスチャン高校の先輩にあたる。
記者会見に同席したアルバルクの社長。
馬場もその縁について、こう明かしていた。
「拓摩さんにはつながりも作っていただいて、拓摩さんがいなければサマーリーグで自分も気持ちよくプレーすることができなかったと思っています。総合的にみても、アルバルク東京の2年間があって、ルカHCの世界基準のバスケを毎日いやというほど聞かされた結果、今こうしていられるとも思っています」
馬場のアメリカ挑戦を発表する記者会見に、異例ともいえる形でアルバルクの林社長が同席したのは、アルバルクに来ればアメリカ挑戦の可能性も広がるという将来のプロ候補生へのプレゼンテーションの意味合いもあったのだ。
少しでも若いうちに海外へ渡るべきだという意見はもちろんある。学生時代に留学し、海外で8年弱仕事をしてきた筆者からしても、その意見にはうなずける部分も大いにある。
しかしプロのアスリートに関しては、プロとしての最初の一歩を国内で踏み出すことの意義は決して小さくはない。