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中島翔哉が苦闘中、ポルトの内情。
血の気が多い監督に強烈なライバル。
posted2019/09/26 11:50
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Getty Images
日本代表MF中島翔哉が、ポルトガルで苦闘している。現地時間25日のリーグカップ、サンタ・クララ戦では1カ月半ぶりの先発出場で公式戦初アシストをマークし、1-0の勝利に貢献した。ただその一方でクラブでのレギュラー争いで後手に回り、監督から厳しく叱責されたことが話題となった。
2022年ワールドカップ・アジア2次予選ミャンマー戦で鮮やかなミドルシュートを決めた男に、欧州最西端の国で何が起きているのだろうか。
2017年8月、FC東京からポルトガルのポルティモネンセへ移籍し、リーグ戦で29試合に出場して10得点12アシストと大ブレイク。今年2月、3500万ユーロ(約42億円)という日本サッカー史上最高の移籍金でアルドゥハイル(カタール)へ移ったが、7月、ポルトガルの名門ポルトが中島の所有権の50%を1200万ユーロ(約14億円)で買い取った。
今季、クラブが獲得した選手の中で最大の補強。クラブの会長は、「以前から欲しかった選手」と大喜びで、背番号10を与えた。
監督は「あくまでも実力次第」。
その一方で、セルジオ・コンセイソン監督は、「クラブがいくら払って連れてきた選手かは、私には一切関係ない。選手起用は、あくまでも実力次第」と冷静だった。
コンセイソン監督が用いる主なフォーメーションは4-4-2で、2トップにはセンターフォワードタイプの選手を並べることが多い。当面、中島の主戦場は2列目左サイドだ。
プレシーズンの試合で当初はレギュラー扱いされていたが、徐々にコロンビア代表の快速ウイング、ルイス・ディアスに出番を奪われてゆく。今季の公式戦初戦の8月7日の欧州CL予選3回戦クラスノダール(ロシア)戦第1レグ、その3日後のリーグ開幕戦では起用されなかった。
13日のクラスノダールとの第2レグでやっと先発し、積極的にシュートを放ったが、相手GKの好守に阻まれる。チームは2-3で敗れ、欧州CL本戦進出の望みを絶たれた。
17日のリーグ第2節(対セトゥバル)では67分から出場し、やはり惜しいシュートを放ったが決まらない。その後、夫人の出産に立ち会うため日本へ一時帰国し、リーグの第3節(宿敵ベンフィカとのダービーマッチ)と第4節(対ビトリア・ギマランエス)を欠場した。