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バスケW杯最終戦の鍵は“楽しむ”こと。
欧州からの1勝はまだ達成可能だ!
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byMATSUO.K/AFLO SPORT
posted2019/09/09 15:45
モンテネグロ戦へ向け、竹内公輔は「今まで2カ月やってきたことを思い出して、すべてコートに置いてきたい」と力強く語った。
NZ戦で消えた、日本の粘り強さ。
1次ラウンドでも3戦3敗している日本だが、その3敗とニュージーランド戦の敗戦は、同じ敗戦でも内容が違った。
少なくとも、1次ラウンドでの3試合は、最後まで戦う姿勢を見せていた。
アメリカ代表チームで、日本代表のスカウトをしていたロイド・ピアスアシスタントコーチも、「私が見た試合すべて、彼らは40分すべて手を抜くことなくプレーし続けた」と称賛していたほどだった。その、いい意味での諦めの悪さがニュージーランド戦では見られなかった。
自分たちの手でつかんだワールドカップという舞台での戦いは、残すこと1試合、モンテネグロ戦を残すだけとなった。チームの雰囲気や、選手たちの気持ちの切り替えを考え、ラマスHCは昨日の前日練習を中止し、自主練習に切り替えた。
その自主練習に、2006年の自国開催の世界選手権(現ワールドカップ)のときのメンバーでもあった竹内公輔、譲次の兄弟がいた。
練習終盤に、公輔はローポストからの攻撃の動きを何度も確認するように練習していた。
「きのう(ニュージーランド戦で)簡単に行ってブロックされてしまった。(アメリカ代表の)ブルック・ロペスにも、日本じゃブロックされないようなのを簡単にブロックされていたので」と、その練習の意図を明かした。オフの日に自主練習をしようと思ったことについては、「ホテルにいてもやることがないんで。観光するキャラじゃないんで」と笑った。
「楽しむ」気持ちが鍵になるはず。
大会最初の2試合は出場機会がなく、悔しい思いもしたが、アメリカ戦では今大会初めて出場。17分50秒の出場中に、フィールドゴールこそ決められなかったものの、フリースローで3点決めたほか、チーム最多の6リバウンドをあげている。
「あんな大敗をしておいてあれですけれど、アメリカ戦に出れて、世界1位とできてすごい楽しかった」と振り返る。そして、その「楽しむ」という気持ちこそが、最終戦に向けての鍵だとも言う。
「きのう(ニュージーランド戦後の)ロッカールームでもみんなで言ってましたけれど、もっとバスケット楽しんで(やりたい)。勝ち負けにとらわれすぎていたなっていうのはありましたけれど、暗い顔してバスケットしても面白くないなって、みんなで言い合っていた。
もちろん代表チームなんで勝利が一番大事なんですけれど、あんなゲームをして見ている人にも失礼だったと思いましたし。みんな下を向いていたので、とりあえず顔をあげて、今まで2カ月やってきたことを思い出して、すべてコートに置いてきたいと思います」