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バスケW杯最終戦の鍵は“楽しむ”こと。
欧州からの1勝はまだ達成可能だ!
posted2019/09/09 15:45
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
MATSUO.K/AFLO SPORT
FIBAワールドカップ順位決定戦でニュージーランドに81-111と30点差の大敗を喫した後、渡邊雄太は「本当に恥ずかしい試合でした」「正直、このままだったら日本に帰れない」と、悔しさをあらわにした。
順位決定戦は、チームによっては来年の東京オリンピック出場権や出場権獲得のラストチャンスとなる世界最終予選の出場枠を得るための大事な試合なのだが、すでにオリンピック開催国枠を得ている日本にとっては、直接的な意味がない試合だった。そのため八村塁は、所属チームのワシントン・ウィザーズ側の意向もあり、「3週間後に迫るウィザーズのNBAトレーニングキャンプに向けて休養をとることがベストだと判断」し、順位決定ラウンドは出場せずに代表チームを離脱。
さらに、キャプテンとしてチームを引っ張ってきた篠山竜青も、アメリカ戦で左足親指を骨折したことが発表された。
チームをプレー面、そしてメンタル面で引っ張ってきた2人が欠場したことで、難しい試合が予想されたが、それにしても、8月の強化試合で1勝1敗だった相手に30点差の大敗は屈辱だった。竹内譲次も、「相手のシュートが当たっただけでは終われない内容だった」と、自分たちのプレー内容の問題だったと認めた。
「顔をあげ、胸を張ってコートに立て!」
試合前日、上海から東莞に移動してきた後、フリオ・ラマスヘッドコーチは、アメリカ戦大敗と主力離脱で落ち込むチームのメンタルを切り替えさせようと、チームミーティングを行い、「残りの2試合も、これまで3試合と同じワールドカップの試合。試合がある限り、勝ちに行く。顔をあげ、胸を張ってコートに立ち、勇気をもってプレーしてほしい」とハッパをかけていた。
それにも関わらず惨敗。しかも、一番警戒していたはずのニュージーランドのトランジションからの得点を好きなように決められ、ハーフタイムの時点ですでに16点の差をつけられてしまった。
ラマスHCも試合後に、「我々がとったプランがうまく実行されなかった部分と、うまくプランをたてられなかった部分が今回の試合の敗因だった」と、コーチ陣が練った策、それを追行する側の選手の両方に負けた原因があると語った。
相手の3Pシュートに対するマークの緩さは、大会前から日本代表の弱点のひとつとして指摘されてきた。インサイドのディフェンスを固めることを重視した結果でもあるのだが、今後の代表強化において大きな課題であることは明らかだった。