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安部裕葵が語るバルサBでの充実感。
「エゴを出す」プレーを楽しんで。
posted2019/09/06 20:00
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Ryohei Hayashi
また1人、日本の若者が欧州の地に旅立った。
広島県の瀬戸内高校から鹿島に入団して2年半。安部裕葵は新たな舞台としてスペインの地を選んだ。
そのクラブの名はバルセロナ。世界最高の選手と呼び声高いアルゼンチン代表FWリオネル・メッシら、世界のスーパースターたちが集うチームの一員になることを選択したのである。
もちろんバルセロナに加入したとはいえ、トップで出場するには茨の道が待っている。安部が所属するのはトップチームではなく、バルセロナの下部組織(ラ・マシア)のうち最上位に位置しているバルセロナB。
ここで活躍が認められることでようやくトップチームに昇格ができ、その上で世界を代表する選手たちとのポジション争いに勝っていかなければいけないのだから、簡単なことではないことは容易にわかるだろう。
「世界一のクラブを知りたかった」
ただ、そんな困難な道にあえて挑もうとする安部の姿勢は実に清々しかった。
「世界で一番のクラブがどういうものなのかを知りたかったし、それはいちサッカーファンとしてすごく興味があった。
瀬戸内高校から鹿島入団を選んだのと同じような気持ちです。もちろん日本一のチームでやって行けるのかという不安はあったけど、よく考えたら、もともとただの高校生だった。鹿島に行くチャンスがあれば行く。今回もバルサに行くチャンスがあれば行く。良い環境、一流の環境に身を置くことが好きなので、そういう選択をしました」
不安や心配が上回ることはなく、「直感で行きたいなと思ったので行った」と言い切る安部は、覚悟を決めて世界に飛び出した。
7月に加入が発表された後、安部は日本でのプレシーズンツアーに参加した。その後、諸々の事情もあり、9月初旬時点ではまだスペインに「実質15日程度」しか滞在していない。ただ、初めての異国での生活で感じることは色々とある。