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安部裕葵が語るバルサBでの充実感。
「エゴを出す」プレーを楽しんで。
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph byRyohei Hayashi
posted2019/09/06 20:00
バルサBでの練習試合でゴールしたことが話題になった安部裕葵。U-22日本代表でも活躍する姿が見たい。
2年半前には想像しなかった現実。
2年半前、瀬戸内高校から鹿島に加入した男は、ルーキーイヤーからピッチで違いを作り出してきた。ひとつずつステップアップしながら成長を続け、バルセロナの門を叩くことになった。それは他の誰でもなく、安部でさえ驚くような現実である。
「ただの高校生だった2年半前は、バルサBに入ることなんて想像できなかったし、鹿島で試合に出ることも想像できなかった。だから縁やタイミングもありますが、2年半、3年弱という時間があれば、自分の想像ができないようなところにも行ける。それはすごく楽しいことですよね」
もし行かなかったら後悔している。
だからこそ今後の数年、その先を考えた時に、どの環境にいれば自分を高められるかが何より大事だった。
「これからどうなるか分からないけど、オレが引退したときに、バルサから声がかかっていたのに行かなかったら絶対に後悔している。この環境にいられることが幸せですから。鹿島の時も言っていましたけど、鹿島にいられること自体が幸せでしたしね。環境が人を育てると思うからこそ、より良い環境を選んでいきたいです」
周りの意見は必要ない。
「自分が一番自分のことを分かっている」
マイペースを貫く男は、バルセロナという環境を楽しみながら誰とも違う道を歩んでいく。