話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
トライアウト→J2琉球→セレッソ。
鈴木孝司の人生が変わった半年間。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/08/20 19:30
セレッソには柿谷やメンデスらアタッカーが豊富に揃っている。その陣容の中で鈴木孝司は成り上がることはできるか。
腐らずに結果を出せばJ1に来れる。
「ここまで簡単な道じゃなかった。ケガもありましたしね。でも、腐らずにプレーを続けて結果を出し、諦めずにやれば、こういう舞台に来れる。僕は、ここ(セレッソ)に来て満足していないし、ここがスタートラインだと思っている。このステージに長くいるためにはゴールが必要だと思っているんで、そこはこだわってやっていきたい」
そういう向上心の強い、ゴールに貪欲な選手がセレッソには必要だった。
この時期のオファー、この夏セレッソで唯一の獲得選手であることも鈴木は十分に理解している。
「FWとして5点以上は決めたいと目標を立てています。2試合に1点ぐらいのペースでいければ……それが最低限かなって思いますね」
課したノルマは、鈴木の能力をもってすれば十分に達成可能だ。
F・マリノス戦のセレッソイレブンはみな、白いユニフォームを泥だらけにして戦った。
鈴木の加入でセレッソは仕事人がさらに増えた。今は全員が必死に走って、体を張る、そんな泥臭く勝てるチームに変貌しつつある。
「このくらいやらないと勝てない」
デビュー戦の勝利でそれを実感できたことは、この先、さらなる高みを目指す鈴木にとって、ひとつの学びになり、いいスタートになった。