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天才・小野伸二が語った“神”たち。
山崎光太郎、中村俊輔への「すごっ」。

posted2019/05/31 12:45

 
天才・小野伸二が語った“神”たち。山崎光太郎、中村俊輔への「すごっ」。<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto

多くの同業者が「特別」だと語る小野伸二にとっても、憧れた特別な選手はいるのだ。

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松本宣昭

松本宣昭Yoshiaki Matsumoto

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Atsushi Hashimoto

 2015年3月に発売したNumber874号の取材で、ラモス瑠偉さんがこう言っていた。

「日本で天才がいるとしたら、僕は一人だけだと思う。小野伸二。もし怪我してなかったら、化け物みたいな選手になっていたよ」

 サッカーにおいて「天才」の定義は難しい。シンプルに言えば「サッカーがとてつもなくうまい選手」ということになるだろうが、「うまい」の種類もさまざま。華麗なドリブルで相手DFを何人も抜いてしまう人、正確無比なキックで味方の足元にぴたりとパスを届ける人、抜群の嗅覚でゴールネットを揺らす人、などなど。それぞれのサッカー観によって、「うまい」のイメージは違ってくるだろう。

 では、ラモス公認の「天才」小野伸二はどう考えるか。5月、北海道コンサドーレ札幌のクラブハウスで、本人に聞いてみた。

 サッカーがうまい人って、どんな選手だと思いますか?

 天才は、いつもの柔らかな笑顔とともにこう語り始めた。

「うまい選手って、会った瞬間にわかるんですよ。まずオーラがある。相手が小さい子でもそう。すれ違ったときに『あれっ?』って。顔つきが違うし、雰囲気がめちゃめちゃ出ているんですよ。わかる人にはわかるかもしれないですけど……」

1歳上の「本当に神様」だった選手。

 ほぉー。と、相槌は打ったものの、凡人にはやっぱりわからない。ならば、小野のキャリアの中で出会った「うまい」と思った選手は? 小野がまず挙げたのは同郷の先輩、名古屋グランパスエイトや清水エスパルス、ヴァンフォーレ甲府で活躍したドリブラーだ。

「山崎光太郎さん。1歳上で、もともと名前は知っていたんですけど、中学2年のときに地域選抜のセレクションで初めて見て、“この人、すげぇな”って。プレーも、雰囲気も、1人だけ別次元で。身長は165cmくらいですけど、技術が高くて、FWとして動き出しがすごくいい。僕のタイミングを理解してくれるから、めちゃめちゃパスが出しやすかったですね。タカ(高原直泰)は光太郎さんと同じ清水東高出身だから、きっと僕と同じことを言うと思います。僕らの高校時代、光太郎さんは本当に神様でしたから」

【次ページ】 俊輔のプレーは、小野でも予想できない。

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