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世界強豪が日本に集うラグビーW杯。
「因縁」がぶつかり合う注目対決は?
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byGetty Images
posted2019/09/11 11:50
今年2月、シックスネーションズで対戦したアイルランドとスコットランド。両者の対決は同組となる日本のグループステージ突破にも大きく関わってくる。
好調の強豪に挑むフィジー。
そして、プールDも混戦が予想される。
今年に入ってウェールズは北半球の「シックスネーションズ」で優勝、オーストラリアは8月にオールブラックスに完勝し、調子を上げている。
ウェールズはFWが充実しており、大崩れはない。また、オーストラリアはオールブラックス戦で見事なアタッキング・ラグビーを披露、4年に一度のピークをRWCに合わせてきた印象がある。
ただし、このプールDで侮れないのがフィジー(9位)だ。昨年11月には敵地でフランスを破るなど、チーム力がメキメキ向上している。
これまで、フィジーには課題があった。ヨーロッパでプレーしている選手が多く、協会の財政難によって、優秀な選手たちをナショナルチームに招集することが難しかったのだ。しかし、ニュージーランド出身のヘッドコーチ、ジョン・マッキーはヨーロッパのクラブに出向いて交渉を重ね、代表合宿に選手たちを招集して、チームビルディングを行なってきた。
10月9日に大分で行なわれるウェールズ対フィジーの試合は、ウェールズFWの力強さと、奔放な展開力を誇るフィジーとの「スタイルの激突」になりそうで、エンターテインメント性の高い試合になるだろう。
もう少しでワールドカップがやってくる。
列強の激突を目撃すれば、どれほどラグビーが面白いスポーツか、目を見開かされるに違いない。