ラグビーPRESSBACK NUMBER
ラグビー日本代表に頼れる38歳鉄人。
流暢な関西弁と、勝利への執着心。
posted2019/09/10 20:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Naoya Sanuki
超人ぞろいのラグビー日本代表にあって異彩を放つ。
チーム最年長の38歳、ニュージーランド出身のトンプソン ルークだ。
W杯4大会出場は元木由記雄、松田努以来3人目となる快挙。海外出身選手としては史上初であり、すでに日本ラグビーのレジェンドとして語り継がれる存在だ。
流暢な関西弁でみずからを「おじいちゃん」と自虐的に語るが、運動量はトップクラス。傷だらけになっても働き続ける姿に、ファンはウルウルときてしまう。
ラグビーワールドカップ日本大会の開幕を2週間後に控えた9月6日、埼玉・熊谷で行われた南アフリカ戦でも「おじいちゃん」は働き者だった。
80分間フル出場した先発フォワードは3人。共に30歳の両フランカー、リーチ主将とラブスカフニ。そして38歳のトンプソンだ。
「スクラムとモールディフェンスは自信を持てた。ボールキャリアーはもっと勢いをつけないと。W杯が楽しみね」
「4年前よりは日本を尊敬している」
2015年W杯以来の再戦だったが、今回は南アフリカ代表が41-7で雪辱を果たした。
しかし試合が終わればラグビーを愛する者同士、ざっくばらんに交歓するのがラグビー文化だ。トンプソンは加入14年目の近鉄ライナーズの元チームメイト、南アフリカ代表のダミアン・デアリエンディらと健闘を称え合った。
「『日本めっちゃ暑い』って言っていたね(笑)。南アフリカは、4年前よりは日本を尊敬している。『今日は勝ったけど、ジャパンは弱いチームじゃなかったよ』と。それは言っていましたね」