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田中裕介が知る中澤と憲剛の凄み。
岡山のJ1昇格へ「自分と向き合う」。 

text by

石倉利英

石倉利英Toshihide Ishikura

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photograph byGetty Images

posted2019/08/14 08:00

田中裕介が知る中澤と憲剛の凄み。岡山のJ1昇格へ「自分と向き合う」。<Number Web> photograph by Getty Images

J1各クラブで名バイプレーヤーだった田中裕介。今はファジアーノ岡山のためにすべてを尽くしている。

一筋縄ではいかない昇格争い。

 田中は2016年に、C大阪でJ2からJ1への昇格に貢献した。そのときの経験から、昇格争いが一筋縄ではいかないことを知っている。

「届かないところじゃないと思います。ただ簡単に届くかというと、そうでもない。両方の感覚があります。セレッソのときも『いけるな』と思ったら連敗して、の繰り返し。結局は昇格プレーオフに回りましたから」

 岡山は第21節から第24節まで、2009年のJ2昇格後のクラブ新記録となるリーグ4連勝を記録した。

 昇格プレーオフ圏内となる6位まで浮上したが、その後に2連敗を喫し、8位に後退している。田中が経験した通りの厳しい戦いは、今後も続くだろう。

 それでも2016年、昇格プレーオフ決勝で岡山を下してJ1復帰を決めたC大阪は、翌'17年にルヴァンカップと天皇杯の2冠を達成。田中はJ2で2年間を過ごした低迷期から、タイトル獲得へと駆け上った道のりを、岡山で再現したいと意気込む。

昇格すればファジアーノは変わる。

 4連勝が始まった第21節・鹿児島ユナイテッド戦は、クラブのホームゲーム史上3位となる1万5731人の大観衆が詰めかけ、岡山が持つ力を示した。

「J1に昇格すれば、ファジアーノは変わると思います。鹿児島戦を見ても、あれだけのポテンシャルがある。あれが当たり前になり、来ている人も、プレーしている選手も楽しいクラブになれば、もっと大きな相乗効果が生まれる。そうなってほしいです」

 そのためにやるべきことは、自分と向き合い、高めた力でチームの勝利に貢献することに他ならない。そこではあらためて、偉大な先人のプレーが手本となる。

【次ページ】 センターバックとしての伸びしろ。

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