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必見、プレミアのスター候補4人衆。
ペップやランパードの期待も特大!
text by
粕谷秀樹Hideki Kasuya
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/06 11:50
超新星として期待を集めるフォデン。マンチェスター・シティの新たな象徴となれるか。
レスターのマディソンはキックに注目。
「もちろん意識しているよ」
レスターのジェームス・マディソンは、ベッカムを参考にしていた1人だ。イメージした距離に合わせて軸足の角度を変え、右足で巻く、あるいは強く叩く。まさにベッカムだ。精度ではまだまだ及ばないとはいえ、キックのフォームひとつにもマディソンの研究熱心さがうかがえる。
昨シーズン、2000万ポンドでノリッチからやって来たときは「高すぎる」と批判されたが、磨きあげた右足の技術と天性の強気で瞬く間にフィット。左インサイドハーフ、あるいはトップ下からチーム全体を操った。36試合出場7ゴール7アシストは称賛されてしかるべきデータである。
この活躍により、多くのメディアがユナイテッドとトッテナムが興味津々と伝えはじめた。1年でレスターを去り、ステップアップを試みるのか。しかしマディソンは慌てず騒がず、次のように答えている。
「自分の力は自分が一番よく分かっている。ビッグクラブと噂になるのは光栄だけど、まだそんなレベルじゃないよ」
浮ついたところがまったくない。レスターがもう一度ミラクルを起こすとすれば、その中心にはマディソンの勇姿がある。
ランパードを想起させるマウント。
18歳未満の選手を獲得する際にルール違反を犯し、チェルシーは今夏と来年1月の補強を禁止された。エデン・アザールはレアル・マドリーに移籍して7キロも太った。しかし、悪いことばかりではない。
新戦力がいなくても、大エースが去っても、将来を託せる若手が数多く存在する。ルーベン・ロフタス・チーク、カラム・ハドソン・オドイ、そしてメイソン・マウントである。
チェルシーの新監督に就任したフランク・ランパードは、現役当時に左インサイドハーフを最も得意にしていた。ボックス・トゥ・ボックスでピッチ狭しと動きまわり、得意のミドルは数多くのタイトルを招きよせた。このスタイルに最も近いのがマウントである。