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北越が青森山田をPK戦の末、撃破!
猛暑のインターハイで何が起きたか。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/07/29 21:00
インターハイ3回戦、PK戦の末に優勝候補・青森山田に勝利した北越。新潟県勢初のベスト4を狙う。
プロ注目SB藤吉からのクロス。
「中盤にスペースが空いていて、3人目の動きも出せていたので、あとはゴール前に自分が走り込めたら点が取れるという確信があった」と庄内が語ったように、後半の北越はさらに自信を持って攻撃を仕掛けていく。
43分、左サイドでボールを受けたMF安藤颯士がドリブルで1人をかわすと、中央のFW田中へつなぎ、最後は藤吉が飛び出してきた相手GKを巧みなボールタッチでかわしてシュート。ゴールにカバーに入った青森山田DF神田悠成のスーパーブロックにあったが、得点の匂いを漂わせた。
すると、その5分後の48分に、ついに北越が均衡を崩す。
中央の田中が右サイドでインナーラップを仕掛けた藤吉に正確な縦パスを送り込むと、藤吉はワンタッチで対峙したDFと入れ替わり、ペナルティーエリア右に侵入。その一連の動きを見ていた庄内は空いたスペースに猛ダッシュした。
「ニアに入った安藤と五十嵐に相手が食いついて、ファーにいた自分の前のスペースが空いたのが分かった。藤吉は必ずそこに速いボールを送り込んでくれると思っていたので、スピードで相手の前に出ればシュートを打てると思った」
藤吉から予想通りのライナークロスが届くと、庄内は勢いよく滑り込んでダイレクトシュート。完全に相手を崩したビューティフルゴールだった。
すぐさま同点弾を浴びるも「まだ同点」。
だが、相手は王者、青森山田だ。
54分、浦和レッズ入団内定のMF武田英寿のFKからFW田中翔太がドンピシャのヘッドを叩き込まれ、すぐさま同点に追いつかれた。
しかし、ここでも藤吉を中心に全員が声を掛け合った。
「まだ同点。自分たちのやりたいことができているし、1点取られたくらいでリズムを崩してしまったら、今まで何を積み上げてきたんだということになる。自分たちを信じることができた」
再び、落胆の雰囲気を払拭した。