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西川潤、染野唯月ら逸材が沖縄に集結。
過酷なインターハイを勝ち抜く高校は?
posted2019/07/24 17:00
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
いよいよ7月25日に開幕する全国高校総体(インターハイ)サッカー競技。
今年の開催地は2010年以来、9年ぶりとなる沖縄。強烈な日差しが照りつける中、1回戦から決勝まで勝ちあがれば7日間で6試合という過酷な連戦がスタートする。見所満載の今大会を注目チームを中心にプレビューしていこうと思う。
まず1回戦の注目カードは尚志(福島)vs.四日市中央工(三重)だ。
尚志には鹿島アントラーズ加入内定のFW染野唯月がいる。昨年度の選手権ではズバ抜けた得点感覚に加え、ポストプレーやスルーパスなど、ポゼッションに関わることができる力を見せつけ、2年生ながら大会得点王に輝いた。今年は日本高校選抜、U-18日本代表、そしてプレミアリーグEASTという3つの舞台で躍動。その多彩なゴールアプローチにさらなる磨きをかけている。
対する四日市中央工には、こちらもプロ注目のMF森夢真(3年)がいる。屈強なフィジカルと一瞬のスピードでDFラインを破壊していくストライカーとして1年次から主軸としてプレーしたが、今年はポジションをボランチに下げた。守備力を身につけながらも、2列目から見せる前への推進力は“元ストライカー”を彷彿させる凄まじい迫力だ。
だが、このカードが“ビッグマッチ”だという理由は、決してこの2人の存在だけではない。
優勝狙う陣容の尚志と“速い”四日市中央工。
尚志は近年、ハイレベルな選手が揃うようになり、今年もエースを支える陣容は強力だ。
アイデア満載のラストパスが魅力のMF小池陸斗(3年)、クロスに合わせる能力に長けたFW山内大空(3年)、そして「染野を超える選手になる可能性も持っている」と評される183cmの2年生ストライカー・阿部要門とアタッカー陣は豊富。守備面でも成長著しいCB中川路功多(3年)や、ボランチとCBを高いレベルでこなせる渡邉光陽という注目の2年生がおり、チームの目標でもある全国制覇を十分に達成できるレベルにある。
一方、四日市中央工には、右サイドの快足アタッカー・和田彩起、FW田口裕也、そして浅野拓磨と雄也(現・水戸ホーリーホック)の弟である浅野快斗と、アタッカー陣に多彩なタレントを有する。彼らのスピードと技術を発揮する高速カウンターがハマれば大きな力を生み出すだろう。