“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
北越が青森山田をPK戦の末、撃破!
猛暑のインターハイで何が起きたか。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/07/29 21:00
インターハイ3回戦、PK戦の末に優勝候補・青森山田に勝利した北越。新潟県勢初のベスト4を狙う。
PK戦の1番手はエースFW庄内。
終盤、青森山田は武田とプロ注目のボランチ・古宿理久を軸に高速カウンターを仕掛けるが、北越はCB下間蔵之介と2年生GK平山颯太を軸に最後まで集中を切らすことなく防ぎきった。試合は冒頭で触れた通り、1-1でタイムアップ。勝負はPK戦へもつれ込んだ。
迎えたPK戦。
先攻の北越の1人目は庄内だった。30歳の青年監督である荒瀬陽介監督は、「もともとPK戦は碧が1人目。彼が決めることでチームが盛り上がるし、彼も成長すると思った」と、一度PKを失敗した庄内を指名。
「監督から『1番目で行けるか?』と聞かれた時は、凄く信頼されていると感じたし、絶対に決めるという強い意志を持てたので『いけます』と答えました。リラックスして蹴ることができました」
庄内は相手GKに触れさせることなくゴールに突き刺すと、北越はそこから5人全員が成功。一方で青森山田は1人目の2年生CB藤原優大のPKをGK平山が完全に読み切ってストップ。これにより勝負は決した。
「全員で掴んだ勝利だと思う」
青森山田にとっては、昨年の12月1日のプレミアEAST第17節の清水エスパルスユース戦に1-2で敗れて以来、約8カ月ぶりの敗戦。まさに大番狂わせであった。
「全員で掴んだ勝利だと思う。精神的に崩れることなく、乗り切れたことがチームとして本当に大きい」
荒瀬監督がこう目を細めたように、青森山田に対して“凌いで凌いでの勝利”ではなく、やるべきことを最後まで全うし、かつ精神的にも全員で持ち直しながら戦い抜いた末での結果であった。