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塩谷司は中東で、代表で何を得たか。
「30歳を超えたら欲が出てきた」 

text by

二宮寿朗

二宮寿朗Toshio Ninomiya

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photograph byTakuya Sugiyama

posted2019/07/17 11:45

塩谷司は中東で、代表で何を得たか。「30歳を超えたら欲が出てきた」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama

海外経験か、積み重ねた年齢か、塩谷司は精悍さをましたように見える。「いい時期」を今まさに迎えている。

「アジアカップは凄く楽しかった」

 グループリーグ第3戦のウズベキスタン戦で先発を果たし、ミドルシュートをぶちこんでいる。決勝トーナメントに入ってからは勝利を確実にするクローザーとして起用された。カタールとの決勝ではケガの遠藤航に代わって先発し、縦パスから南野拓実のゴールにつなげている。

 負けたことは悔しくてたまらなかったが、代表という場所はやはり変わらず目指していくべき場所だと感じることができた。

「決勝まで行ったので勝たないと意味がないなとは思いました。でもアジアカップは凄く楽しかったですね。練習からやっぱりレベル高いし、みんなうまい。雰囲気も良かった。まさかあんなに試合に出ることができるとは思っていませんでした。1試合でもどうにか出られたらいいなって、最初は。(試合終盤に出て)ボールに触らないまま終わった試合もありましたけど、使ってもらって感謝しています。

 代表はやっぱり特別な場所だなって思いました。サッカーを続けている限り、目指していくべき場所。代表の試合というのは試合前日、ドキドキしてしまっていたけど、今では自然体で臨めるようになりました」

30歳を超えたら、40まで続けたくなってきた。

 中東で己を磨く、中東から代表を狙う。

 今年31歳になる。将来の青写真を、こう描く。

「実はアルアインから3年契約をオファーされていました。30歳を超えているのでありがたい。でも2年経って、また(次のことを)考えたいなって思ったんです。アルアインからまたオファーがもらえるかもしれないし、他の国でプレーするかもしれない、そして日本に戻るかもしれない。

 日本に戻ったらプレーしたいチームが3チームあるんです。どこかとは言わないですよ、心に秘めておくものなので(笑)。でも30歳までプロでできるとは思っていなかった。ギリギリ、プロになって将来なんて見えなかった。30歳を超えたら40歳まではやりたくなってきた。欲が出てきました。欲深いのはダメかもしれないけど」

 図太くなった、欲深くなった。

 雨から視線を切り、出発ロビーへと吸い込まれていく。

“UAEの章”には、まだストーリーの続きがある――。

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塩谷司
アルアイン

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