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柴田勝頼がG1に送り込んだ友人。
夏のプロレスがヒートアップする理由。 

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原悦生

原悦生Essei Hara

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posted2019/07/04 17:00

柴田勝頼がG1に送り込んだ友人。夏のプロレスがヒートアップする理由。<Number Web> photograph by Essei Hara

オカダ・カズチカとの因縁がどうなるか……強力なオーラをまとってリングに再び現れた柴田勝頼。

タッグチームのように登場した柴田とKENTA。

 KENTAを見るのは昨年9月の丸藤正道の20周年記念試合以来だった。

 花道で柴田とがっちり握手したKENTAは、柴田に「友人です」とリングに招き入れられた。ファンに挨拶するとKENTAは「柴田スタイル」で胡坐を組んでファンに視線を投げた。その後ろでは、まるでタッグチームのパートナーのように柴田が両手を掲げてファイティング・ポーズを決めて写真に収まった。

 KENTAの参戦によってAブロックに新鮮なカードが生まれた。

 KENTAはダラスでの開幕戦で飯伏と当たる。ヒザの使い手同士の対戦がどんなものになるかは興味深い。

 7月14日の大田区総合体育館でKENTAは棚橋と当たる。7月27日の愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)ではオカダとぶつかる。

柴田勝頼とオカダ・カズチカの因縁。

 こんな光景を思い浮かべることができる――KENTAのセコンドには柴田がいる。柴田は直接、オカダと戦うことはできない。でも、その対角線にはオカダが存在する。

 柴田とオカダの2017年4月の両国国技館でのIWGP戦はファンの記憶に深く刻まれた激闘だった。

 柴田は頭に大きなダメージを負って開頭手術を余儀なくされ、それ以降試合はしていない。

 今年3月、長岡でのニュージャパン・カップに優勝したオカダに、放送席に解説で座っていた柴田が「勝てよ。ニューヨーク行くから」とエールを送り、4月のMSGでのオカダのIWGP戴冠を後押しした。その柴田が、今度は、オカダを倒す側に回る。これには、ちょっとしたゾクゾク感を覚える。

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