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辻陽太の爆弾発言「オレたちはカードゲームのカードじゃねえんだよ」の真意とは? 離脱者続出、アメリカのファーム化…新日本プロレス“危機への警鐘”
posted2026/02/17 17:13
IWGPヘビー級王座とGLOBAL王座を掲げる辻陽太。IWGPヘビー級王者を夢見て新日本プロレスに入った男は、ついにそれを成し遂げ歴史をつないだ
text by

原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
今、新日本プロレスで一番気になるレスラーは誰かと聞かれたら、私は辻陽太だと答える。
辻はIWGPヘビー級王者で同時にGLOBALヘビー級王者だが、IWGPヘビー級王座への思い入れは誰よりも強い。
辻陽太が“IWGPヘビー級王座”を復活させるまで
辻は1月4日の東京ドーム大会でKONOSUKE TAKESHITA(竹下幸之介)を倒しIWGP世界ヘビー級王座を獲得したが、欲しかったのは“IWGPヘビー級王座”だ。辻は途切れてしまったIWGPヘビー級王座の歴史を紡いだ。最初の頃は辻が言っていた「解体」という言葉の意味がよくわからなかったが、こういうことだったのかと納得した。
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これはアントニオ猪木から始まるIWGPの歴史を、理不尽にも“世界”を付け足すことで消そうとした行為への反発でもあり、正論だった。IWGPに“世界”を加えたことで、IWGPヘビー級王座の価値がその時点で新設されたタイトルのように下落したと言ってもいい。
辻の主張は一貫していた。欲しいのはIWGPヘビー級王座だと前々から言っていた。
第15代IWGPの世界ヘビー級王者になった辻だが、翌1月5日の大田区総合体育館に巻いてきたのは見覚えのあるIWGPヘビー級のベルトだった。
辻はガウンの下に締めていたIWGPヘビー級のベルトを掲げた。辻の主張を受け入れた新日本プロレスは“世界”を外した。15代だけ続いた“世界”の歴史はIWGPヘビー級王座の歴史に組み込まれて、辻は第87代王者となった。
そんな辻の初の防衛戦が2月11日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で行われた。辻とジェイク・リーの幕開けは思ったより静かだった。
「ジェイク・リーの存在は異質であり、異物であり、今、新日本プロレスに必要なもの」と辻はジェイクを評価し、「あんたが一番隠したい真実と嘘の間にある事実をオレが見つけるよ」と語っていた。辻はスピアータックル、ジーンブラスターでジェイクをフォールした。
このカードに大きな期待を抱いていた私には終わってみれば普通の防衛戦だった。だが、これでは終わらないだろう。ジェイクは面白いキャラクターになっている。
辻は「色気と知性があって、体が大きくてジェイクは好きだ」という。次に2人が当たるときのこのカードは爆発しそうな気配がする。



