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横浜FM山田康太「次は自分らしさを」
U-20W杯で得た勝利への執念と自覚。
 

text by

安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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photograph byTakahito Ando

posted2019/06/26 17:00

横浜FM山田康太「次は自分らしさを」U-20W杯で得た勝利への執念と自覚。<Number Web> photograph by Takahito Ando

天野純(左)とコミュニケーションを取る山田康太。彼の成長は、J1制覇を目指すチームにとって大きな力となるはずだ。

無念の途中交代に「ゴールが欲しかった」

 決勝ゴールが決まる前の64分、山田は大津との交代を告げられ、ベンチに下がっていた。横浜FMのこの試合で見せた唯一の交代だった。

 チームのために自我を出すことを抑えたが、結果として山田が“一番の変化の付け所”と判断をされてしまった。

「守備的な相手に対して、前の位置で自分を出し切れなかったな……と。後半に入って、監督も何か変化やアクセントをつけたいところだとなった時に、相手が後半もずっとブロックを敷いてきたからこそ、大津くんのような背後への飛び出しを得意とする選手を(交代選手として)チョイスしたのは分かるし、そこは特に不満もありません。勝つためにはそうするべきだなとも思うけど、自分がピッチに立っている時に、何らかしらの解決策を自分が見出したかった。

 本音を言えば、今日の試合で自分はもっともっと前でプレーをしたかったですし、相当ゴールが欲しかった。もっとやりたかったという思いも正直あります」

 勝利に貢献した手応えと、結果に対して貪欲な自分を出し切れなかった悔い。その2つが試合後の彼の頭の中を支配していたのだった。

U-20W杯では4戦すべてにスタメン出場。

「僕の中でU-20W杯で4試合をフルに戦って、『サッカー選手は試合に出てこそ身体がキレてくる』と痛感しました。ポーランドから帰ってきてから、練習のパフォーマンスが良かったからこそ、こうしてスタメンで使ってもらえたと思う。だからこそ、結果を残したかった」

 山田はつい先日までU-20日本代表の一員として、ポーランドにいた。横浜FMで思うように出番を得られず、U-20W杯では試合勘が心配されたが、蓋を開けると、大会を通して攻守に貢献。左サイドハーフとして豊富な運動量と攻撃へのアイデアを発揮し、初戦のエクアドル戦では同点ゴールをマークした。

 グループリーグ3試合、そして決勝トーナメント初戦の韓国戦のすべての試合にスタメン出場を飾り、チームに必要不可欠な存在となった。

【次ページ】 日の丸の重みを痛感した日韓戦。

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