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大谷翔平のサイクルは球史に残る?
ノーヒッターよりレアな“勲章”か。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/06/19 08:00
絶好調モードの大谷翔平。サイクル達成後には現地の子どもたちからサインをねだられていた。
今季はサイクル達成の方が多い。
サイクルは今年、ホルヘ・ポランコ内野手(ツインズ)、大谷、ジェイク・バウアーズ外野手(インディアンス)とすでに3人が達成している。
ノーヒッターはマイク・ファイアーズ(アスレチックス)が自身2度目の偉業を達成したのみで、まだ2人目はまだ現れていない。
比率にすると1対0.333、パーセンテージだと75%対25%だ。
これを見ると「サイクルとノーヒッターを同じレベルで比べるのはナンセンス」だと思えるが、わずか2カ月半の集計では不公平なので、昨シーズンも含めて考えてみる。
昨年のサイクルはムーキー・ベッツ外野手(レッドソックス)とクリスチャン・イエリッチ外野手(ブルワーズ)という両リーグの最優秀選手、そしてチャーリー・ブラックモン外野手(ロッキーズ)、ブロック・ホルト外野手(レッドソックス)の4人が達成した。
加えてイエリッチは同一シーズンに2度、ホルトは史上初となるポストシーズンでの達成だった。
一方で昨年、単独で達成したノーヒッターは左腕ショーン・マネイア(アスレチックス)とジェームズ・パクストン(マリナーズ)。ドジャースがウォーカー・ビューラー、トニー・シングラーニ、イーミ・ガルシア、アダム・リベラトーの4投手のリレーで達成している。
これもややサイクルが優勢だ。
計6回ノーヒッターが出た年も。
ただしスパンが長くなればなるほど、「サイクルってノーヒッターみたいなもの」に近づく。
2017年のサイクル達成者は7人におよんだが、2016年は3人、2014年は1人と少ないシーズンもある。
ノーヒッターも、2015年にマックス・シャーザー(ナショナルズ)が2度、ジェイク・アリエッタ(当時カブス、現フィリーズ)、現在はダルビッシュ有投手(カブス)の同僚である左腕コール・ハメルズ(当時フィリーズ)、そして岩隈久志(現巨人)の6人、そして計7度達成する「多発」のシーズンがあった。
かと思えば、2016年はアリエッタが自身2度目の達成をしたのみ。2017年もエディソン・ボルケス(当時マーリンズ)ただ1人だった。
結局のところ、長いスパンで考えればサイクルとノーヒッターの達成比率は、327人対300人の1対0.917、52.153%対47.847%という数字に落ち着く。