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大谷翔平のサイクルは球史に残る?
ノーヒッターよりレアな“勲章”か。
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph byAFLO
posted2019/06/19 08:00
絶好調モードの大谷翔平。サイクル達成後には現地の子どもたちからサインをねだられていた。
サイクルのレア度を調べてみた。
念のため書いておくと、アメリカでは「サイクル・ヒット(安打)」という言い方はせず、単に「Cycle=サイクル」と言う。「ノーヒットノーラン(無安打無得点)」とは言わず、「No Hitter=ノーヒッター」と言うのと同じだ。
バーンズは話すリズムを少し落ち着かせて、こう答えた。
「サイクルはノーヒッターみたいに、試合中に誰もそのことに触れなくなるなんてことはないけど、そうだね、とてもレアな記録という意味ではノーヒッターみたいなものかも知れない」
確かに大谷のサイクルはメジャーでは日本人選手初であり、珍しいことには違いない。
だが、「ノーヒッターほど珍しくはないだろう?」という先入観があったので、ちょっと調べてみた。
歴代での達成者数はどれくらい?
Baseball Reference.comをはじめとする複数のウェブサイトの記録を総合すると、サイクルは6月15日現在、327人が達成。ノーヒッターは同300人が達成している(アメリカの場合、ノーヒッターは複数人での達成も含まれる)。
327人対300人。
1対0.917。もしくは1.09対1。
パーセンテージなら52.153対47.847である。
なるほど、テレビ番組の出演者が「サイクルって、ノーヒッターみたいなものでしょう?」と言うのも頷ける。
だが、どこか腑に落ちない。
同じ番組ではファンのツイッターも紹介していて、その中には「サイクルっていうのは、単にヒットの種類が揃っただけのことなので、どんなヒットの種類も許さないノーヒッターと同じレベルで比べるのはナンセンスだよ」というのもあった。
激しく、同意する。