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予算増額、観客数も昨季超え。
J2山形が夢見る昇格と新スタ建設。
text by
川端康生Yasuo Kawabata
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/06/18 07:30
J2リーグ第18節水戸戦で、途中出場から流れを変えた山形FWジェフェルソン・バイアーノ(9番)。阪野豊史(11番)のゴールを呼び込んだ。
首位攻防にふさわしい好ゲーム。
試合後の両監督のコメントが試合内容を見事に物語っていた。
「すべてがうまくいったわけではありません。水戸の方が上回る時間もあった。拮抗した試合でした」(山形・木山隆之監督)
「ピンチもチャンスもあり、どちらが勝ってもおかしくない……と言いたいところですが、(負けたので)山形の方が上だったということです。それでも、うちも自分たちのスタイルを前面に出して戦うことはできた」(水戸・長谷部茂利監督)
まさしく拮抗した試合だった。どちらが勝ってもおかしくない内容だった。敗れたとはいえ、水戸のスタイルは印象的だった。
首位攻防にふさわしい見応えのある好ゲームだった。
山形サポーター、雨にも負けず。
翌日の山形新聞は一面でモンテディオの勝利を伝えていた。もちろんスポーツ面、さらに社会面でも。
その見出しが奮っていた。
<我らの青炎 雨では消せぬ>
この日の山形地方は朝から降ったり止んだりの雨模様だった。しかも夜に向けて激しくなる予報。スタジアムへの足が重くなる悪条件だった。
事実、観客は6887人。モンテディオの今季(この試合までの)平均入場者数は7700人だったから、せっかくの大一番にしては残念な数字だったかもしれない。
それでもゴール裏スタンドの応援にはパワーがあった。その歌声は、久しぶりに訪れた“よそ者”を驚かせるほど力強かった。雨なんかに負けない熱気が、確かにあった。