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西武ドラ6森脇亮介は遅咲きの26歳。
新人っぽくないリリーフの心得。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2019/06/14 11:30
今季、森脇亮介は6月10日時点で13試合に登板し2勝2ホールドの成績を残している。
新人らしくない、達観した考え方。
交代を告げられ、ベンチに戻ったあとはなるべくすぐに気持ちを切り替えるようにしていると話す。
「そうは言っても、その日のうちは切り替えられないですね。寝て、朝になって、やっと少し忘れるというか……。『引きずらないように』とは心がけています。それは、結果が良かった日も悪かった日も同じ。良かった結果も引きずらないようにしています」
常にフラットな状態で試合開始を迎えているという。森脇の新人らしからぬ落ち着きは、どこか達観しているような、その考え方のせいでもあるようだ。
森脇は続ける。
「野球は相手もいることなので……。割り切ることがいちばん大事かなと思います。どれだけ調子がよくても、野手と野手の間に落とされたらヒット。もちろん、配球とか、どう攻めた結果だということは意識して考えなければいけないけれど、寝て、朝起きたらまた試合が待っています。
これから始まる試合で、絶対に同じ状況は来ない。それなら終わったことに引きずられるより、切り替えて、その日の自分の体のコンディションを考えて、その日はその日のことだけを考えるほうが大事なんじゃないかと思っています」
「その日の100%を出せれば」
ブルペンでの調子の良し悪しも、気に病まないように努めている。
「社会人時代に何度かリリーフを経験している間に、そう考えるようになりました。どれほど調子が悪くて、ど真ん中に135kmのストレートが行ってしまっても、打ちやすいボールが行っても、バッターが見逃したらストライクだし、打ち損じてくれることもある。
『調子が悪いから絶対に抑えられない』とは限らないですよね。だからその日の自分の100%を出せれば、と考えています」
リリーフ投手の心得は社会人時代に培った。プロに入って周囲の選手を観察することはあっても「投手としてのタイプも違うので、自分は自分のやり方を見つけられればいい」と我が道を行く。